「リュウグウ」に到着した「はやぶさ2」、経緯・目的・今後の予定のまとめ

2018年6月27日9時35分、小惑星探査機「はやぶさ2」が目的地の小惑星Ryugu(リュウグウ)に到着(高度20Kmの観測地点)したとの発表がありました。

「リュウグウ」は、地球から3億Kmもの彼方にある、たった900mの大きさの小惑星です。

これから2019年末までの1年半の間に3回着陸して試料を採取し、2020年末に地球に帰還する予定とのことです。

2010年には「はやぶさ」が「イトカワ」の試料を地球に持ち帰り話題となりましたが、今回も夢のある話で無事に帰還できるかワクワクしますね!

「リュウグウ」探査の目的や、今後の予定などについてまとめました。

これまでの経緯

2014年12月3日

「はやぶさ2」は打ち上げられました。
打ち上げ後、地球に近い軌道を描いて太陽を1周し、約1年後に地球の近くに戻ってきました。

※「はやぶさ2」は、2010年に世界で初めて小惑星「イトカワ」の試料を地球に持ち帰った「はやぶさ」の後継機。

 

2015年10月5日

小惑星センターのリストに「Ryugu」の名称が記載されました。
JAXAが2015年7月15日に、名称を一般から公募することを発表していました。

 

2015年12月3日

地球の重力を使った加速(スイングバイ)を行った後は、イオンエンジンで加速。
「リュウグウ」の軌道に近い軌道に入り、太陽を約2周。
打ち上げから約32億kmを飛行して、約3年半をかけて目的地の「りゅうぐう」に接近しました。

 

2018年6月3日

「リュウグウ」から2100Km離れた地点に到達し、往路のイオンエンジン運転を完了。
搭載したカメラで「リュウグウ」までの距離や位置の確認をしながら徐々に接近。

 

2018年6月27日

「リュウグウ」の高度20Kmの観測地点に到着しました。

 

2018年7月20~21日

「リュウグウ」の高度6Km位まで降下しました。
その時の画像が掲載されているページはこちらです。

 

2018年8月1日

「リュウグウ」の高度5Kmほどの中高度運用を開始。

 

2018年8月5~10日

「リュウグウ」への正確な降下に必要な精度を推定するため、重力計測運用が行われました。
探査機を「リュウグウ」の地表高度851mまで3回自由落下させ、その位置や速度から重力を推定しました。(重力計測運用 航法画像の公開画像一覧

重力計測運用では、なるぺく探査機の軌道や姿勢の制御を行わずに、「リュウグウ」の引力に任せて探査機を運動させるそうです。
自由落下や自由上昇をさせ、探査機の運動を正確に把握すると、探査機が「リュウグウ」からどのくらいの強さの引力を受けているかがわかるとのことです。

 

2018年8月17日

着陸地点選定会議が行われ、着陸候補地点が決定しました。

 

2018年12月

「リュウグウ」表面の地名が決定されました。地名一覧が掲載されているページはこちらです。

 

2019年2月22日

「リュウグウ」への着陸に成功。

 

探査の目的

「リュウグウ」は、質量の小さい「C型」の小惑星に分類され、生命の材料となる水や有機物を比較的多く含むと考えられています。

構成する物質が熱や圧力による変化を受けておらず、約46億年前の太陽系誕生時の姿をとどめているとされています。

「リュウグウ」を探査し、サンプルを持ち帰ることで、太陽系の成り立ちや地球誕生の謎、海の水の起源や生命の原材料となった有機物の起源を探り、生命の起源に迫ろうという計画です。

初代「はやぶさ」が持ち帰った小惑星「イトカワ」の資料は、水を殆ど含まない「S型」に分類されるのに対し、「リュウグウ」は「C型」。

地球に豊富にある水や生命の元となる有機物は、「C型」の小惑星からもたらされた可能性があると考えられています。

今後の予定

2018年6月27日、9時35分に「リュウグウ」の高度20Kmの観測地点に到着。

2018年10月下旬に最初の着陸を行う予定で、合計3回着陸を行う予定とのことです。
着陸した後、「リュウグウ」の試料(岩石)採取の計画があります。

試料採取を成功させるためには、安全かつ科学的に意義のある場所を選定する必要があるとのこと。
8月半ば頃までに「リュウグウ」の表面の詳細な地形などの観測を行い、着陸地点を決定する予定。

着陸に適している場所

  • 太陽電池が光を受けられる赤道付近
  • 1mを超える岩などの障害物が無い
  • なるべく平坦な部分
  • 水や有機物が多く含まれる部分

着陸可能エリアの赤道付近には山があるとのことで、事前の予想とだいぶ違っていて難しいそうです。

また、小型探査機の投下や、火薬を使った衝突装置(インパクター)による、人工クレーターを作っての観測も行われる予定とのこと。

2019年末に「リュウグウ」を離脱。

2020年末頃に地球に帰還し、資料を収めたカプセルを分離して大気圏に突入させる予定とのことです。

「リュウグウ(Ryugu)」について

1999年5月10に、リンカーン研究所の自動観測プログラムLINEARによって発見されました。

発見後、小惑星センターに正式登録される前は、仮符号の「1999 JU3」でした。

1999は、1999年。
Jは、5月前半。
U3は、95番目に発見。

されたことを表しているそうです。

その後、小惑星センターに登録された正式名称は、小惑星番号「162173」でした。

JAXAが、2015年7月22日~8月31日迄に名称の公募を受け付け「Ryugu」の名称が正式決定されました。

「リュウグウ」の直径は700m。

地球背接近する軌道を持つ小惑星(地球近傍小惑星)の中でも、特に地球に衝突する可能性が大きく、なおかつ衝突時に地球に与える影響が大きいと考えられる「潜在的に危険な小惑星」に分類されています。

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