映像編集ソフト EDIUS で使える、コンプレッサーのご紹介です。
EDIUS Pro9 には、音を圧縮する「コンプレッサー」機能がありません。
プラグインを入れることで、使えるようになります。
私の環境、Windows 10 で動いたプラグインのご案内になります。
目次
コンプレッサーの目的
コンプレッサー(compressor)とは、大きい音と小さい音の差を小さくする(圧縮する)ダイナミクス系のエフェクターです。
音量を変えるだけで音色は変わりませんが、音楽系では積極的にサウンドを作る目的でも用いられています。
ビデオ編集では、圧縮することで音の大きさを揃えて、音圧を上げる目的で用いられたりしています。
動作
コンプレッサーは、指定したレベル(スレッショルド:Threshold)を超えた音量を圧縮する、というのが基本的な動作です。
Threshold を超えた音の信号に対して、
- レシオ(Ratio)で、どの程度圧縮する(増幅度を下げる)のかを決めます
- アタック(Attack)で、圧縮動作を開始するまでの時間を決めます
- リリース(Release)は、信号が Threshold 以下になってから、圧縮動作を終了するまでの時間を決めます
Threshold を超えた部分は、増幅率が下がる動作をするので、何もしなければ音は小さくなってしまいます。
全体の音量を上げるために GAIN でアウトプットレベルを上げる調整を行います。
これらがコンプレッサーの基本的な機能で、あとは機種により色々付いている感じです。
インストール方法
インストールは、このページで紹介する dll ファイルを、EDIUS がインストールされている次のフォルダーにコピーするだけです。
C:\Program Files/Grass Valley/EDIUS 9/Plugin/VST
エクスプローラーで示すと、次の場所です。
VSTフォルダーに dll ファイルを入れた後、EDIUS を起動すると使えるようになります。
EDIUSで使えた無料のVSTプラグイン
Leveling Tool
AdHd Leveling Tool のダウンロード先:audiotools.se または kvraudio.com
カートに入れてからダウンロードするようになっていますが、0円です。
ダウンロードしたファイルを展開すると、幾つかファイルが出てきます。
EDIUS Pro9 では、LevelingTool_64.dll を使用します。
【使用感】
EDIUS で、オーディオクリップ上にドラッグ&ドロップした直後は、Gainが35%に設定され、そのまま再生するとメーターが振り切れて爆音での出力になります。
Gainを0%にすると全く音が出なくなります。
このコンプのGainツマミは、圧縮された音を基準にどれだけ追加して全体の音量を持ち上げるかではなく、一般のアンプのボリューム調節と同じ考え方で作られているようです。
音楽製作で、各楽器専用で使う場合や、全体にかけるのに用いるには良いのだと思います。
EDIUS で使う場合、各オーディオクリップ毎に適用しますが、圧縮した音に対して、GAIN ツマミでどれだけ音を大きく調整したかが、視覚的に分からないので、個人的にはちょっと使いにくいかなと思いました。
でも、視覚的なことは気にならない方や、毎回 GAIN を下げるのが手間と感じない方は、問題無く使えると思います。
Signal Noise SN01-G Compressor
SN01-G のダウンロード先:Sender Spike または kvraudio.com
ダウンロードして、SN01G_VCA_Comp_v1.20.zip を解凍すると、4つのdllファイルとPDFのマニュアルが入っています。
EDIUS Pro9 では、SN01G VCA Comp x64.dll を使用します。
【使用感】
幾つか試してみた中では具合が良かったので、私は SN01-G を使用しています。
前述した AdHd Leveling Tool と異なり、Ratio が 1:1 で、Gain 調節ツマミを 0 にした状態で、原音がスルーされる状態になります。
Ratio の比率を上げて、圧縮動作をして減った分だけ、Gain 調節ツマミで全体を上げる、という使い方が出来るので、EDIUS で使うには感覚的に分かりやすかったです。
また、SN01-G には、KNEE(ニー)の調節機能が付いていますので、Threshold 付近の急激な音の変化による違和感を、音源に合わせて調節で緩和することが出来るので便利です。