ハッカ、ミント、ペパーミント、スペアミント・・・
色々な呼び方をされていますが、違いは何でしょうか?
調べてみると、ハッカという言葉は、広い意味と狭い意味で使うようです。
さらに、ミント、ペパーミント、スペアミントなどと、色々な名前が使われるので、わかりにくいですよね。
違いをまとめてみました。
目次
「ハッカ」は2つの意味で使われている
「ハッカ」は和名で、漢字で書くと「薄荷」と書きます。
ハッカは、広い意味と狭い意味で、それぞれ使われています。
- 広義:日本在来の「ニホンハッカ(日本薄荷)」を含むシソ科ハッカ属の総称。
つまり、英語でいう「ミント(mint)」のこと - 狭義:日本在来の「ニホンハッカ(日本薄荷)」のこと
ハッカ=ミント(mint)は、合っているとも言えるし間違っているとも言えます。
また、物を指して言うとき、「ハッカ草」自体をいう場合や、「草・ハッカ油・ハッカ脳」という全体を指す場合もあります。
ミント(mint)は総称?
ミント(mint)は英語で、シソ科ハッカ属(ミント属、メンタ属)の総称です。
各国の呼び名を見てみましょう。
日本語 | ハッカ(薄荷) |
英語 | Mint(ミント) |
イタリア | Menta |
フランス | Menthe |
ラテン語 | Mentha(メンタ) |
ドイツ | Minze |
オランダ | Munt |
中国 | 「薄荷」「番荷菜」 |
大別すると3種類
スーッとする独特な清涼感は、ハッカ草に含有する「ハッカ油」という精油により出されます。
「ハッカ油」は、主成分である「L(‐)メントール」や「L-カルボン」のほかに、100種類以上の成分が含まれていますが、品種によりそれらの含有量が異なるために、「香りや風味」が異なったものとなります。
この主成分の「種類と量」の違いにより、
- 和種ハッカ(ニホンハッカ(日本薄荷))
- 洋種ハッカ(ペパーミント(peppermint))
- スペアミント(spearmint)
の3種類に大別されています。
ニホンハッカ(日本薄荷)[和種ハッカ]
国外では通称、ワシュハッカ(和種薄荷、Japanese peppermint)と呼ばれています。
主成分であるハッカ脳「メントール(L(-)Menthol)」の含有率は、65~85%と、ハッカ草の中で最も多いのが特徴です。
メントフランを含まないので、ペパーミントと区別されています。
かつては北海道北見市が世界的な産地で、昭和15年前後には世界の70%を生産するまでになっていたそうです。
和種ハッカには、次の品種があります。(出典:北見ハッカ通称)
- 北見しろけ(白毛)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- あかまる(赤圓)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv. AKAMARU
- ほくしん(北進)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- さんび(三美)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- まんよう(萬葉)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- すずかぜ(涼風)北交2号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- おおば...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv. OOBA
- はくび(博美)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- ほうよう(芳葉)北交8号。...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- りょくび(緑美)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北交10号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- あやなみ 北交12号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- しゅうび(秀美)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北系5号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北系13号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- わせなみ 北系J15号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- さやかぜ 北系J16号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- ほくと「はっか農林11号 北斗」(北海J20号)...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北海JM14...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北海JM19...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北海JM23号...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 北海JMM3...学名:Mentha x piperita L.
- 北大...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv.
- 赤坂ハッカ...学名:Mentha arvensis L. AKASAKA HAKKA
- 天白ハッカ...学名:Mentha arvensis L. TENSHIRO HAKKA
- 白花ハッカ...学名:Mentha arvensis L. var.piperascens Malinv
- 岡山鏡野...学名:Mentha arvensis L.
ペパーミント(peppermint)[洋種ハッカ]
ペパーミントは、和名ではコショウハッカ、セイヨウハッカ、と呼ばれています。
主成分である「ハッカ脳(L(-)Menthol)」の含有率は50~60%と、和種ハッカに比べて低いのが特徴で、お菓子やハーブティーによく使われています。
スペアミントとウォーターミントの交配により出来たと言われているそうです。原産地はヨーロッパ大陸。
「洋種ハッカ」はスペアミント種も含んだ総称として表現される場合もあるようですが、スペアミントは主成分が異なるために区分けされるのが一般的です。
スペアミント(spearmint)
主成分は「カルボン(L‐Carvone)」で、含有率は60~70%。
2番目の主成分は、柑橘類の皮にも含まれている「リモネン (limonene)」で、含有率は10~20%。
主成分が、他の2種類(和種ハッカと洋種ハッカ)と異なるため、区分けされています。
大規模な栽培は、チューインガムなどの用途が開発されてから行われるようになったそうです。
主要な産地は、アメリカ合衆国の五大湖沿岸西部(ミッドウエスト)および太平洋岸北部(ファーウエスト)となっています。