あなたは簡易消化器を使ったことがありますか?
私は運良く実際の火事に遭遇していないので、使ったことがありません。
火災発生時には、そのこと自体でパニックに陥るなかで、普段使うことの無い消化器を使って、消火を行わなければいけません。
どの様に噴射されるのかを知っていれば、少しでも落ち着いて消火活動が行えるでしょう。
ということで、期限切れになった「簡易消化器」を使って、実際に噴射してみました。
その時の様子を、写真でご紹介します。
後半は、知人宅で起きた火災とその時に聞いた話に関する内容になっています。
簡易消化器を実際に噴射してみた
どの様に噴射されるのか?
どの程度の距離まで噴射されるのか?
有効期限が過ぎた簡易消火器を使い、試してみました。
使用した物は、ヤマトプロテック(株)から販売されている簡易消火器で、殺虫剤等よりやや大きめサイズのスプレー缶です。
分類:エアゾール式簡易消火具
形式:FB-400AW
品名:ファイヤー・バスター
表示によると、噴射時間は、約31秒。
「火元から、約1.5~2.5mの距離から全量放射して下さい」とのこと。
中身は、浸潤剤入りの「水」との事でしたので、実際に噴射してみました。
殺虫剤やヘアスプレー等のイメージで拡散するのかと思っていましたが、細く真っ直ぐに勢いよく噴射しました。
消化液の到達距離は3mを超えています。
ボタンを押している間だけ噴射し、指を離すと噴射が止まります。
油の入った鍋から出火した場合、この消化器を至近距離から噴射したら、油が飛び散ってかえって危険かもしれません。
「火元から、約1.5~2.5mの距離から全量放射して下さい」という注意書きは、その様な理由もあるのでしょう。
実際、火が付いた鍋に近づくのは熱いし危険ですので、説明通り、最低1.5m位は離れた距離から噴射した方が良さそうです。
※全てのエアゾール式簡易消化器がこの様な噴射をするかどうかは分かりません。
知人の家が火災に
知人の戸建ての家でほぼ全焼の火災があり、焼け跡を見せてもらった事があります。
アルミ製の玄関は全部溶けて跡形も無くなり、アルミ製のベランダも溶けて殆ど無くなり、残っている所はグニャグニャ。
ガラスは割れたり溶けたりして無くなった様で、アルミサッシも溶けて無くなっていました。
家の中は、炭化した太い主要な柱と梁、壁の木枠が残っている状態です。
階段は辛うじて上れましたが、階段の床板が殆ど無く下の階が丸見えでした。
2階に上がると、床板が燃えて無くなっている場所が多々あり、床板の隙間から1階部分が見える様な状態の中、梁の上を歩いて一通り見せてもらいました。
部屋に置いてあったパソコンなどの金属は、消防車の放水により錆びてボロボロになっていました。
消化剤の中に、金属を腐食させる成分が入っていたのでしょう。
僅かに燃え残っていた衣類なども、煙や消化液により全てが使い物にならず、悲惨な状態でした。
知人から聞いた火災体験談
この火災を経験した知人から、体験談を聞きました。
出火原因は、布団がずれ落ちて床に置いてあった電気ストーブに触れてしまい、布団が燃えだしてしまった事が原因だったとのことでした。
布団が燃え始めたら叩いても消えず、吸ったら死ぬと思うような黒煙が出始めたそうです。
消火器を探しに行っている2~3分の間に、炎が拡大してカーテンに着火。
カーテンが燃え始めたら、あっという間に天井まで燃え広がり、黒煙が充満して部屋の中にはいられない状態となり、持ってきた消火器を使っても消しきれず、命を優先して諦めて脱出したそうです。
知人は視力0.1以下の近視で、寝ていたところ騒ぎ声で目覚めての対応だった事もあり、メガネ無しの見えない目では消化器をすぐに見付けられなかったそうです。
初期消火に失敗した結果、ほぼ全焼という結果になってしまったと悔やんでいました。
消火可能時間は、出火から2~3分以内!
一般的に言われているとおり、消火が可能なのは火災発生から2~3分以内が限度だったそうです。
実際に、初期消火が非常に大切だったと、実体験を話してくれました。
その彼は現在、部屋の至る所に簡易消火器を置き、さらに家庭用の消火器も複数用意して置いてあるそうです。
そんな知人のアドバイスから、我が家にも簡易消火器を常に複数用意し、家庭用の消火器のほか、セコムから出ている消火器も用意してあります。
まとめ
1000円位から売られている簡易消火器さえあれば...。
2~3分以内に、初期消火さえ出来ていれば...。
家を。 家財を。 財産を。 人の命を。 思い出の品々を...。
失わずに済むかもしれません。
メインの消化器以外にも、エアゾール式の簡易消火器を何本か、緊急時に探しに行かなくてもすぐに手の届く範囲に置いておく事をお勧めします!