Windows10 のサポートは、2025年10月14日に終了します。
サポート終了後は、ウイルスやマルウェアに感染するリスクが高まるとされており、それまでに Windows11 への更新(無償)が推奨されています。
私が使っているPCのマザーボードは、ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING 。第8世代の Intel Core i7 8700K プロセッサを搭載しており、メーカーのサイトによると Windows11 の要件を満たしているのですが、PC正常性チェックアプリで確認すると、要件を満たしていないというエラーが出てしまいます。
このままでは Windows11 への更新が出来ず、対応作業が面倒でこれまで Windows10 を使い続けてきました。
そろそろ準備をしようと、調べて作業を始めたところ、色々と引っかかって手こずったので、その内容をまとめてシェアしたいと思います。
「PC正常性チェックアプリ」で確認してみよう!
Microsoft のサイトに、「PC正常性チェックアプリ」というものがあります。
このアプリは、Microsoft社が提供するアプリで、Windowsデバイスの正常性やパフォーマンスを診断するツールで、主に次の機能があります。
- Windows 11のシステム要件を満たしているかどうかを確認する
- バッテリー容量やストレージ容量を表示する
- スタートアップ時間を短縮する
- PCの全体的な正常性とパフォーマンスを向上させるためのヒントを提供する
- Windows OSの最新バージョンが配信されているかどうかを確認する
- PCがバックアップと同期の状態にあるかどうかを識別する
実行すると、Windows11 をインストールすることが出来るのかが分かります。
出来ない場合は、その原因を確認することができるので、それに従って対策を取ることができます。
「PC 正常性チェック」がインストールされていない場合は、 https://aka.ms/GetPCHealthCheckApp に移動し、プロンプトに従ってアプリをダウンロードしてインストールします。
最初に出ていたエラー
私のパソコンで PC正常性チェック を実行したところ、
と、表示されました。具体的には、
- PCはセキュアブートをサポートしている必要があります。
- TPM2.0がこのPCでサポートされ、有効になっている必要があります。
この2つのエラー。
これらを解決すれば、Windows11のインストール画面が表示されるようになるハズです。
Windows 11 インストールに必要な要件
Windows11をインストルするには、次の要件を満たす必要があります。
- UEFI対応マザーボードであること
- 最新バージョンのBIOSにアップデートされていること
- TPM 2.0が有効化されていること
- Secure Bootが有効化されていること
- ストレージがGPTパーティションであること
ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING は、UEFI対応なので、問題なし!
BIOSは、最新バージョンへのアップデートが必要です。
TPM2.0と、Secure Bootのの有効化をする必要があります。
そして、もう一つ見落としがちなこと。
それは、Windows起動ディスクが、MBRでなくGPTパーティションになっていること。
私は、ここに気が付かずに手こずってしまいました。
それでは初めに、ストレージの形式から確認していきましょう!
ストレージの形式確認とGPTへの変換
ストレージの形式の確認
Windows10がインストールされているSSD(またはHDD)の形式が、MBR形式の場合は、後の作業でSecure Bootを有効化すると、起動ディスクが認識されず、BIOS画面しか表示されなくなってしまいます。
まず初めにストレージが、GPT形式になっているか、確認をしておきましょう!
形式はWindows上から、次の方法で確認することができます。
- [Winキー] + [X] →「ディスクの管理」を選択。
- SSDを右クリック →「プロパティ」→「ボリューム」タブを開く。
- 「パーティションのスタイル」が「GUIDパーティションテーブル(GPT)」と表示されているか確認。
もしMBRと表示されている場合は、GPTに変換する必要があります。
GPTへ変換可能か確認
データを保持したままMBRからGPTに変換することが出来ます。
変換は、Windowsのコマンドブロンプトから使える「mbr2gpt」ツールを使用します。
万が一の事を考えて、必ず事前にバックアップを取ってから実行することを強くオススメします!
[Winキー] + [R] → 「cmd」と入力後 → [Ctrl + Shift + Enter] で管理者権限で開きます。
コマンドプロンプトで、
mbr2gpt /validate /allowFullOS
と入力し、Enterを押します。
問題がなければ「Validation completed successfully」と表示されます。
私の環境では、次のメッセージが出てきました。
Validation completed successfully と表示されているので、MBR2GPTツールで変換可能です。
コマンドプロンプトで、
mbr2gpt /convert /allowFullOS
と入力し、Enterを押すと、変換が開始されます。
しばらくフリーズしたかと思うような画面になりますが、そのまま待機!
変換が完了すると、「Conversion completed successfully」というメッセージが表示されます。
以上でSSD(またはHDD)の変換は完了し、準備が整いました。
続いて、BIOSの確認を行います。
BIOSのバージョン確認
Windows11をサポートしている最新版のBIOSは、バージョン 3004 です。
古いバージョンの場合は、アップデートが必要です。
BIOSバージョンの確認は、Windows上から次の手順で確認できます。
- [Windowsキー]+[R] を押して「ファイル名を指定して実行」を開く
- 「msinfo32」と入力し、Enterキーを押す
- システム情報ウィンドウが開いたら、左側のツリーで「システムの要約」が選択されていることを確認
- 右側の「BIOSバージョン/日付」セクションで、BIOSバージョンを確認
BIOSバージョンの欄に
American Megatrends Inc. 3004, 2021/07/12
と、表示されていれば、BIOS更新済みです。
バージョンが 3004 になっていない場合は、次の方法でBIOSをアップデートします。
BIOSのアップデート
BIOSのアップデート方法は複数ありますが、一番確実なBIOS 画面から更新する ASUS EZ Flash 3 による方法で行うのが良いでしょう。この方法は、USBメモリにBIOS更新ファイルを保存して、BIOS設定画面を開いてアップデートを行う方法です。
ASUS 公式サイトより BIOS ダウンロード
次の場所から、BIOSをダウンロードします。
ダウンロードされるファイルは、
ROG-STRIX-Z370-F-GAMING-ASUS-3004.ZIP
というファイル名で、ZIP形式です。ダウンロード後にファイルを解凍します。
解凍すると、
ROG-STRIX-Z370-F-GAMING-ASUS-3004.CAP
という名前のファイルが出てきます。
USBメモリに、BIOSファイルを保存
USBメモリを用意し、FAT32形式で予めフォーマットしておきます。
フォーマットが終わったら、先ほど解凍した、拡張子が CAP のファイルを保存します。
BitLocker の設定を確認する
BitLocker の設定を確認します。
BitLocker とは、ストレージの暗号化の設定で、Windows10 Pro のみの機能です。
Windows10 Home の場合は、この内容は無視してOKです。
不明な場合は、以下の方法で確認できます。
- タスクバーの検索ボックスに「コントロール パネル」と入力して開く
- 「システムとセキュリティ」をクリック
- 「BitLocker ドライブ暗号化」を選択
ここで BitLocker の設定が無効であることを確認します。もし有効の場合は「無効化」しましょう!
BitLockerが有効のままBIOSをアップデートすると、最悪の場合Windowsを初期化するしか手段がなくなります。
BitLocker の「無効化」が確認できたら、システムをシャットダウンします。
続いて、BIOSの設定変更を行います。
BIOSのアップデート
BIOS更新は、次の手順で行います。
- ダウンロードしたBIOSファイルを保存したUSBメモリを挿した状態で、パソコンを起動
- ロゴ画面が出てきたら、「F2」もしくは「DEL」を押して BIOS 画面を起動
- 「F7」を押して、Advanced Mode の画面を開く
- 上の「ツール」メニューを選択
- 「ASUS EZ Flash 3 ユーティリティ」を起動
- BIOSの更新方法を選択する画面が出るので、「Storage Devices 経由」を選択
- ストレージデバイス一覧の中から、BIOSを保存したUSBメモリを選択
- 「ROG-STRIX-Z370-F-GAMING-ASUS-3004.CAP」を選択
- 読み込み確認画面が出るので、「Yes」を選択
- アップデートの再確認画面が出るので、「Yes」を選択
実行後は、しばらく放置します。
BIOS更新中に、パソコンが何度か再起動を繰り返し、書き換えに失敗したのではないかと不安になるような動作をしますが、私の環境では、しばらく放置していたら起動できるようになりました。
BIOSを再設定する
BIOSを更新すると、各種設定が初期化されてしまいます。
必要に応じて設定し、保存してBIOS画面を終了します。
パソコンを再起動し、正常に動作することを確認してから、次の作業に取りかかった方が良いでしょう。
TPM2.0を有効にする
ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING でTPM2.0 を有効にするには、BIOSの設定変更が必要です。
次の手順で行います。
PC起動時に[Del]キーを連打してBIOSに入ります。
UEFI BIOS Utility の EZ Mode が表示されている場合は、画面右下の Advanced Mode を押すか F7 キーを押して、Advanced Mode の画面に切り替えます。
「Advanced」タブ → 「PCH-FW Configuration」
Secure Bootを有効にする
ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING でSecure Bootを有効にするには、BIOSの設定変更が必要です。
次の手順で行います。
PC起動時に[Del]キーを連打してBIOSに入ります。
UEFI BIOS Utility の EZ Mode が表示されている場合は、画面右下の Advanced Mode を押すか F7 キーを押して、Advanced Mode の画面に切り替えます。
「Advanced」タブ → 「Secure Boot」 → 「OS Type」を「Windows UEFI Mode」に設定する。
まとめ
以上の操作を行うことで、Windows11 がインストール出来る状態になりました。
今回は「Windows 11 Ready」マザーボードである ASUS ROG STRIX Z370-F GAMING の Windows11 対応方法について解説してみました。
最初に PC正常性チェックアプリ を使ってインストール出来るか、もし出来ない場合は何が原因なのかを確認し、その内容に応じて、ストレージをGPT変換し、BIOSのアップデート、TPM2.0 と Secure Boot を有効にする、という作業を行うことで、Windows11 がインストール出来る様になりました。
Windows10 のサポートは、2025年10月14日に終了します。
サポート終了後は、ウイルスやマルウェアに感染するリスクが高まるとされており、それまでに Windows11 への更新(無償)が推奨されています。
まもなく Windows10 のサポートが切れてしまいますので、早めの準備をオススメします。