90系のトヨタVOXY(ヴォクシー:2022年1月~)を例に、車の電源の取り出し方を解説します。
ドライブレコーダーやUSB電源の増設など、大電流を使わない機器であれば、当記事で紹介するオプションカプラー(オプションコネクター)を使う方法が簡単でオススメです。
ACC電源(アクセサリー電源)やIG電源(イグニッション電源)、常時電源などを探しながら、苦労してヒューズボックスから取り出したりする事なく、コネクターを差し込むだけで簡単に取り出すことができます。
90系のNOAH(ノア)も同様で、80系もコネクター違いなだけで同様に取り出しが出来るようです。
さらに、他の車種でも同様の方法で電源を取り出せる車が多数存在しているようですので、取り出し方法の参考にして頂けたら幸いです。
この記事を読めば、ドライブレコーダー等の電源を簡単に確保して、シガー電源ソケットを裏の見えない場所に綺麗に収納する方法が分かります。
目次
電源の取り出し方
車の電源を裏から取り出すには、
- ヒューズボックスから取り出す
- カーナビやシガーソケット等の裏の配線から取り出す
- オプションカプラーを利用する
などの方法があります。
トヨタ90系(80系)の新型VOXYとNOAHは、オプションカプラーを利用するのが一番簡単です。
電源取り出しハーネス
車体本体に付いているオプションカプラーに、「電源取り出しハーネス」を接続することで、必要な電源を簡単に取り出すことができます。
トヨタ90系の新型VOXYとNOAHは、「オプションカプラー」という名称でコネクターが市販されています。
オプションカプラーに、この電源取り出しハーネスを接続すると、4種類の電源
- BATT(常時電源・プラス電源)
- IG(イグニッション電源)
- ACC(アクセサリー電源)
- GND(アース電源・マイナス電源)
これらを同時に取り出すことができます。
とても簡単なので、オススメです。
以下の場所で入手できます。
電源の取り出しのみのタイプと、取り出しと同時に分岐ができる(電源取り出しハーネスを複数繋げられる)2種類のタイプが販売されていますので、必要に応じて選ぶと良いでしょう。
当記事では、この電源取り出しハーネスを使った方法で、オプションカプラーから電源を取り出す方法を解説します。
オプションカプラーの場所
オプションカプラーを接続する場所は、助手席の足元にあるヒューズボックスの近くにあります。
電源を取り出す場所は、この付近!
それでは、パネル類を外していきましょう!
電源取り出しの作業手順
パネル類を外す
助手席の足下のパネルを取り外す
助手席の足下の上部にあるパネルを外します。
爪が4つあります。レバーが付いているので、奥の方向に押し込みながら外します。
助手席ドアの下のカバーを取り外す
助手席ドアの足元にあるカバーを2カ所外します。
隙間に内張剥がし工具を入れるなどして、上に引き上げると外すことができます。
カバーの裏側と内部は、こんな感じ。
足元の奥のカバーを外します。
赤色で囲った部分の、パーツを外します。
プラスチック製のナットで、左に回すと外せます。
下の画像の様なパーツですので、全体を手前方向(椅子側の方向)に引っ張ると外せます。
黄色で囲った部分は、先程プラスチック製のナットを外した場所。
赤色で囲った部分は、引っ張ると外せるパーツで固定されていました。
電源取り出しハーネスの電源の種類と、増設シガー電源ソケットの確認
電源取り出しハーネスのケーブルを、電源の種類別に記載してみました。
メーカーによって電源の種類と色が異なる可能性がありますので、購入した商品の説明をご確認下さい。
増設するシガー電源ソケットは、コムテック製(COMTEC SDS-001)にしました。
こちらの商品は、プラグ抜け防止機能が搭載されています。
振動で外れてしまうことが無いので安心です。
5Aのヒューズ付きです。
シガー電源ソケットの電源ケーブル接続
電源取り出しハーネスの線と、シガー電源ソケットを接続します。
今回は、私の在庫品で絶縁被覆付きの圧着スリーブと、HOZANの圧着工具 P-733 を使って作業を行いました。
まず始めに、電源取り出しハーネスの線から圧着します。(接続すれば良いだけなので、順番は特にありません)
今回、ドライブレコーダーの取り付け用に電源を用意しますので、プラス側は赤いコードのアクセサリー電源(AAC)と、マイナス側の黒いコードGNDの線のみ使用します。
電源極性に合わせて、圧着スリーブを色分けして使ってみました。
ビニル線の被覆を剥いて、圧着します。
続いて、シガー電源ソケット側を繋いで圧着します。
マイナス側の線は、ボディーに接続するように端子が付いていますが、電源取り出しハーネスの線に接続するので、端子を切り取ります。
圧着スリーブが太く、接続する線が細い場合は、私は導線の被覆を少し長めに剥いて、次の画像のように半分に折り曲げて、圧着時の接触面積が増えるようにして接続しています。
今回私は、埃よけも兼ねて、圧着スリーブの上を熱収縮チューブで覆うことにしましたので、圧着前に通しておきます。
この作業はやらなくても問題ありません。
熱収縮チューブは、熱風の出るガスゴテを使用して、チューブを収縮させました。
チューブと線の間に隙間が空いていますが、埃よけでカバーしたかったのでOKとします。
ACCとGND線の圧着スリーブを熱収縮チューブでカバーしました。(左の画像)
さらに、未使用のIG線と常時電源のBAT線の末端も、細い熱収縮チューブを使用して、絶縁保護を行いました。(右の画像)
熱収縮チューブを使わない場合は、ビニルテープ等を使用して絶縁保護を行うことをオススメします。
電線の接続と保護が終わりましたら、オプションカプラーと電源取り出しハーネスの接続をします。
オプションカプラーに電源取り出しハーネスを接続
オプションカプラーの場所は、下の画像の赤丸部分です!!
ここに、電源取り出しハーネスを差し込みます。
コネクターの方向は下の2枚の画像、挿し込む前と挿し込んだ後を参考にして下さい。
差し込んだ後は、コードが下の画像のようになるように、拘束バンド等を用いて固定します。
この様にしておかないと、一番最後にカバーを取り付ける際にコードがぶつかってしまいます。
オプションカプラーを接続した後は、シガー電源ソケットの電源極性が間違っていないか、念のためテスターで電圧測定しておくことをオススメします。
もし間違って電源極性が逆さまに接続されていると、繋いだ機器を壊してしまいます。
シガーソケットの奥の中心にある金属がプラス極、シガーソケット内側の周囲の金属部分がマイナス極です。
シガー電源ソケットの収納と機器の接続
シガー電源ソケットの収納場所
シガー電源ソケットを収納するのに、ちょうど良いスペースがあります。
それが、こちら。
シガー電源ソケットと機器の接続
ここからは、ドライブレコーダーの電源を接続する例で解説します。
シガー電源ソケットにシガープラグを挿し込み、上向きの赤矢印の部分を締め込むことで、シガープラグが外れなくなります。
シガー電源ソケットの収納方法
シガー電源ソケットのコードと、接続したシガープラグのコードを、収納しやすそうな長さに束ねます。
私は、次の画像のように収納しました。
以上で配線作業は終了です。
最後に、外したパネル類を元に戻せば完了です。
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