新型コロナウイルス、感染予防の効果が期待できるマスク

 

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染予防が期待できるマスクの紹介と、マスクの規格についてまとめた記事ですので、参考にして下さい。

本題に入る前に、現在の状況を簡単にまとめておきます。

新型コロナウイルスの日々の感染者数は、次のグラフが示す状況です。
※グラフは可能な限り毎日更新する予定です。

 2020年1月19日 ~ 4月2日

拡大画像と世界のグラフはこちら国内の都道府県別のグラフはこちら です

 

日本国内では、2月11日以後、感染者が毎日発表されるようになりました。

クルーズ船で感染した検疫官は、マスク・手袋を着用し、作業ごとに手の消毒をしていた(参考)ことから考えて、エアロゾル感染(参考)も否定はできないと思います。(検疫官が着用していたマスクは、普通の医療用マスクだったようです) と書かせて頂いていましたが、後に 中国保健当局「エアロゾル」感染の可能性指摘 (2020-02-19)という報道がされています。

厚生労働省は、集団感染を防ぐため「換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください」と呼びかけています。参考 2020-03-02)

この発表の中に、「換気」と「ゴミは密封して」という内容が含まれていますので、「エアロゾル感染」の可能性も考慮しているのではないかと思います。

家族に感染者が出てしまえば、ウイルスで汚染された空間を避けることはできません。

このページでは、サージカルマスクと、ウイルスの侵入を防げるマスクについて、詳しく解説しています。

 

 

新型コロナウイルスの大きさ

新型コロナウイルスの大きさ出典:The Paper 澎湃新闻‏ (@thepapercn)

画像は、新型コロナウイルス(2019-nCoV)の電子顕微鏡写真です。

国立感染症研究所の記事によると「電子顕微鏡で観察されるコロナウイルスは、直径約100nm(ナノメートル)(0.1μm)の球形で、表面には突起が見られる」との記載があります。(参考)

以前流行した、新型インフルエンザウイルス(H1N1)や、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の大きさは、80~120nm(0.08~0.12μm)程と言われていましたので、ほぼ同程度のサイズのようです。

市販マスクの性能(マスクの規格)とウイルス遮蔽の効果

市販マスクのパッケージや商品紹介欄には、

  • インフルエンザ対策マスク
  • 医療現場で使われている…
  • 細菌遮蔽率99.9%
  • バクテリア等遮蔽率(BFE)99%

などと書かれているものを見かけます。

99%遮蔽と書いてあると、感染予防に効果があるように読み取ってしまうと思いますが、「ウイルスが通過しない」とはどこにも書いてありません。

BFEだけでなく、PFEが書かれたマスクもありますが、これらの数字によりそのマスクのフィルター性能が分かります。

BFEとは

BFEとは「細菌ろ過効率」のことで、ブドウ状球菌(約3μm)をマスクに通してテストを行い、どれだけろ過出来たかを数値で表した値です。

医療用フェイスマスクの基準は、この値が95%以上の性能である事が求められています。

PFEとは

PFEとは「ポリスチレン粒子ろ過効率」のことで、直径0.1μmのポリスチレン粒子をマスクに通して、どれだけろ過出来たかを数値で表した値です。

医療用マスクの目的

医療用マスク(サージカルマスク)の目的は感染予防ですが、「空気中に飛散する液体の飛沫」を主なろ過対象としています。

「空気中に飛散する液体の飛沫」は、一般的には5μmより大きい粒子とされているため、空気中の滞留時間は短く、数メートル飛散した後に地面に落下する様な粒子を想定しています。

医療用マスクのウイルス遮蔽効果

コロナウイルスは、直径約0.1μmです。

BFEが99%と書いてあるマスクは、コロナウイルスは素通しですので、感染予防には全く効果がありません。

PFEが99%のマスクであれば、フィルターの性能的には多少は防げることが期待できそうですが、顔にピッタリフィットしていないと、鼻などの隙間からウイルスが侵入してしまいます。

コロナウィルスのように、ウイルス単体が0.1μm以下で微粒子として空気中に浮遊している場合には、医療用マスクでは対応できません。(※情報の一部は、こちらの資料を引用させて頂いています。)

しかし、マスクをすることで、3つの効果による感染予防はあると考えられています。

  1. 鼻や喉の保湿
  2. 鼻や口に無意識で触れてしまうことでの感染を防ぐ
  3. 保菌者の飛沫による感染拡大を防ぐ

サージカルマスク着用による効果について、詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

 

感染予防が可能なマスクは?

N95以上のマスク

以前流行したSARSのときに、WHOが医療機関での使用を推奨したマスクが、N95マスクです。

N95マスクは、米国NIOSHが定めた規格の名称で、0.075μm(μメートル)±0.02μm の塩化ナトリウム粒子を一定の基準で測定し、0.1~0.3μmの微粒子を95%以上捕集出来る性能を保証されたマスクです。(規格の詳細はこちら

米国規格ではN95以上(N99やN100という規格も存在します)、日本の規格ではDS2またはRS2以上の性能で、マスクが顔に密着していて隙間が無いこと。

これらが満たされないと、「感染予防」としての効果は期待できません。

 

オススメは、3M社のN95マスクです。

私が持っている物ですが、具合が良かったのでご紹介します。

3M 1870

以前のSARSだったか鳥インフルエンザの時に購入した、1870Fです。

3M社製のN95マスク1870F

使用前は折りたたまれている状態で薄いので、保管も携帯も便利です。

3M社製のN95マスク1870F 薄い

裏側には薄いゴム紐が2本付いていて、頭の後ろ側で止める様になっているので、耳が痛くなることはありません。

3M社製のN95マスク1870F 裏側

折りたたまれているので、開くと..。

3M社製のN95マスク1870F 中

鼻の部分には厚手のスポンジが付いていて、中には厚めの柔らかい金属が入っているので、鼻の隙間の空気漏れを防ぐ構造になっています。

私には鼻のフィット感も装着感も共に良く、鼻やあごの周囲に隙間が出来ない良い物でした。

現在は、1870+ という新しい製品(メーカーサイト:3M™ Aura™ N95微粒子用マスク 1870+)になっているようですが、2020年1月27日現在、大手の通販サイトで見付けることが出来ませんでした。

3M 1860

1870F は、大人用の大きいサイズしかありませんでしたので、子供用に小さいサイズの 1860S も購入しました。

3M社製のN95マスク 1860S パッケージ

1860S は、Small 版で、レギュラーサイズは、1860 の製品番号になります。

私の手持ちの物は白色ですが、3M社のページを確認したところ、現在販売されている物は緑色のようです。

3M社製のN95マスク 1860S

1860 は、パンツのゴム紐のような素材のゴムで、1870F と同様に頭にかけて止めるタイプですので、耳が痛くなることはありません。

3M社製のN95マスク 1860S 内側

内側は、厚めの鼻当てのパットが付いていて、鼻の隙間の空気漏れを防ぐ構造です。

3M社製のN95マスク 1860S 鼻当ての金属

表側には、厚めの柔らかい金属が付いているので、鼻の形に合わせてフィットさせることができます。

3M社製のN95マスク 1860S 横

写真は Small サイズですので、レギュラータイプはもっと大きく厚みもあると思います。

カップは固めでしっかりしていますので、鞄に入れて持ち歩くには不向きです。

N95マスクの入手先

3M社製のN95マスクは、こちらで入手可能です。


ご紹介した製品の他に沢山ありますが、現在はN95マスクが手に入りにくい状況です。

医療現場ではなく感染予防が目的であれば、米国規格のN95に相当する日本の規格DS2の防塵マスクで代用できます。

DS2規格のマスクは複数のメーカーから出ていますが、3M社の防じんマスク(8205-DS2)が楽天市場で適正な価格で販売されていたのでご紹介すると同時に、各通販サイトで販売されているDS2規格のマスクもご紹介します。

マスク以外で感染を予防する方法はこちらにまとめてあります。うがい手洗いは当然ですが、それ以外の方法も組み合わせた方が、より予防効果が高くなると思いますので、参考にして下さい。

 

マスクの規格(医療用)

「医療用マスク」や「家庭用マスク」には、国内の規定が特にありません。

病院等で使われるマスクは、主に米国の医療用マスクの規格であるASTMが適用されています。

※ASTMは、米国試験材料協会のことで、世界最大級の国際基準化規格制定機関です。

ASTM-F2100-11(医療用マスク米国標準規格)

特性 バリアレベル1
(低バリア)
バリアレベル2
(中バリア)
バリアレベル3
(高バリア)
細菌ろ過効率 (BFE) ≧95% ≧98% ≧98%
粒子捕集効率 (PFE) ≧95% ≧98% ≧98%
圧力差(通気性)(mmH2O/c㎡) <4.0 <5.0 <5.0
人工血液に対する耐浸透性(mmHg) 80 120 160
燃焼性 Class1 Class1 Class1

※ASTM-F2100-11 とは、マスクの液体バリア性に関するフィルター素材の性能規格で、マスクの形状に対する基準ではありません。

この他、欧州にはEN14683、オーストラリアにはAS4381、という規格があります。

マスクの規格(防塵用)

規格 日本
(国家検定規格)
米国
(NIOSH規格)
ヨーロッパ
(EN規格)
試験粒子 NaCl
(塩化ナトリウム)
DOPミスト
(フタル酸ジオクチル)
NaCl
(塩化ナトリウム)
NaCl
(塩化ナトリウム)
粒子経(μm) 0.06~0.10
(個数基準中央径)
0.15~0.25 0.075±0.02
(個数基準中央径)
0.6(質量基準中央径)
(個数基準中央径0.06相当)
捕集効率試験流量
(リットル/分)
85 85 85 95
試験濃度 50mg/m3以下
(濃度変動±15%以下)
100mg/m3以下
(濃度変動±15%以下)
未調査 未調査
区分 DS/RS/DL/RL
D : Disposable(使い捨て式)
R : Replaceable(取替え式)
S : Solid(固体)
L : Liquid(液体)

N : Not resistant to lil
(耐油性無し)
FFR
Filtering
Facepiece
Respirators
(使い捨て式)
判定基準 100mg供給までの
最低値DS1/RS1:80%以上
DS2/RS2:95%以上
DS3/RS3:99.9%以上
200mg供給までの
最低値DL1/RL1:80%以上
DL2/RL2:95%以上
DL3/RL3:99.9%以上
200±5mg供給までの
最低値N95 : 95%以上
N99 : 99%以上
N100 : 99.97%以上
測定開始3±0.5分後の
測定値FFP1S : 80%以上
FFP2S : 94%以上
FFP3S : 99%以上
吸気抵抗試験流量
(リットル/分)
40 85 30/95
吸気抵抗判定基準
( )内は排気弁付
DS1/DL1 : 45Pa以下(60Pa以下)
DS2/DL2 : 50Pa以下(70Pa以下)
DS3/DL3 : 100Pa以下(150Pa以下)RS1/RL1 : 70Pa以下
RS2/RL2 : 80Pa以下
RS3/RL3 : 160Pa以下
N95 : 343Pa以下
N99 : 343Pa以下
N100 : 343Pa以下
30リットル/分
FFP1S : 60Pa以下
FFP2S : 70Pa以下
FFP3S : 100Pa以下
95リットル/分
FFP1S : 210Pa以下
FFP2S : 240Pa以下
FFP3S : 300Pa以下
排気抵抗試験流量
(リットル/分)
40 85 160
排気抵抗判定基準
( )内は排気弁付
DS1/DL1 : 45Pa以下(60Pa以下)
DS2/DL2 : 50Pa以下(70Pa以下)
DS3/DL3 : 100Pa以下(150Pa以下)RS1/RL1 : 70Pa以下
RS2/RL2 : 70Pa以下
RS3/RL3 : 80Pa以下
N95 : 245Pa以下
N99 : 245Pa以下
N100: 245Pa以下
FFP1S : 300Pa以下
FFP2S : 300Pa以下
FFP3S : 300Pa以下

※米国規格のN95は、日本検定規格のDS2と同等の性能。
※マスクの規格は、国際間で統一されていないために試験方法が異なり、一概に比較ができません。

参考資料:粒子サイズ

  • 花粉:10~100μm
  • 赤血球:直径7~8μm、厚さ2μm
  • カビ胞子:0.5~10μm
  • 粉ミルク:1~10μm
  • 黄砂:0.5~5μm
  • 細菌:0.5~5μm(大腸菌:長さ2~4μm、厚さ0.4~0.7μm)
  • 結核菌:0.4~4μm
  • コロナウイルス:0.1μm
  • SARS:0.08~0.18μm
  • 鳥インフルエンザ(H5N1):0.08~0.12μm
  • ノロウイルス:0.03~0.04μm
  • タバコの煙:0.01~0.5μm

※1μm(マイクロメートル)は、1000分の1ミリメートル