新型コロナウイルス 接触感染リスクを減らす物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム 消毒液の自作方法も紹介

 

接触感染を防ぐには、手洗いや手の消毒が有効と言われています。

しかし、いくら手洗いや手の消毒をしても、手洗い前に触ったスマホ、ドアノブ、スイッチ、手すりなどには、ウイルスが付着したままです。

そこに触ったら、すぐに手にウイルスが付着してしまい、その手で目・鼻・口にを触ると感染する危険があります。

新型コロナウイルスを消毒できる商品を購入してみましたので、使用した感想を交えて紹介しています。

また、消毒用「次亜塩素酸ナトリウム」の製品が品切れの時や、緊急に消毒をしたい時のために、漂白剤を使って自分で作る方法もご紹介していますので、参考にして下さい。

 

新型コロナウイルスに有効な消毒液

厚生労働省のページには「医療機関・検査機関の方向け」の新型コロナウイルスに関するQ&A として、次の内容の記載があります。

  • 手などの皮膚の消毒を行う場合には、消毒用アルコール(70%)
  • 物の表面の消毒には次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)

さらに「新型コロナウイルスの感染が疑われる人がいる場合の家庭内での注意事項」の中に、次の記載があります。(4月2日追記)

  • ウイルス付着の可能性がある場所(ドアの取っ手など)の消毒は、次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)、またはアルコール
  • トイレや洗面所の消毒は、家庭用洗剤で洗浄後、次亜塩素酸ナトリウム(0.1%)

コロナウイルスの消毒には、アルコールや次亜塩素酸ナトリウムが有効であることが分かっています。

手の消毒にはアルコール、これは皆さんご存じだと思いますので、このページでは「物」の消毒に有効な次亜塩素酸ナトリウムについてご紹介します。

物の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム

物の表面の消毒には、次亜塩素酸ナトリウム0.1%が有効とのことです。

手の消毒には使えません。(皮膚が溶けてしまいます)

次亜塩素酸ナトリウムが入った商品をご紹介します。

兼一薬品工業「ジアショット」

次亜塩素酸ナトリウム0.1%の記載がある物を探して、該当する商品を購入してみました。

新型コロナウィルス消毒 次亜塩素酸ナトリウム ジアショット

「医療施設用」との記載があります。

特徴は、

  • 次亜塩素酸ナトリウム(0.1~0.5%)を含有する
  • 汚染された環境表面に希釈することなく、そのまま使用することができる
  • 泡状でスプレーされるので、液の飛散が少ない

とのことです。

製品のラベルには「細菌れウイルスの除去・血液・吐物の汚れに」とのことで、「汚れたトイレの手すりや便座、床などの環境表面に」との記載があります。

新型コロナウィルス消毒 ジアショット 吹きかけてみた

ワンプッシュで、この様な感じの泡が出ました。

使い方は、

  1. 約10cm離して対象物に直接スプレーするか、布などにスプレーして拭く
  2. 必ずしっかり拭き取るか、流水で洗い流す

とのことです。

実際に使ってみての感想ですが、やはりよく拭き取らないと物によっては対象物を痛めそうな感じです。

確実な除菌効果を求める方は、この商品が選択肢の1つになると思います。

大洋製薬「安定型 次亜塩素酸ナトリウム」

もう一つ購入した商品がこちら。

新型コロナウィルス消毒 次亜塩素酸ナトリウム タイヨー

この商品を選んだポイントは、

  • 「金属腐食の心配が少なく安心してご使用いただけます」という記載がある
  • スプレーした後「しっかり拭き取る」および「水洗い」の記載が無い

という点です。

メーカーのサイトに掲載されている除菌効果には、様々な菌やウイルスに対して不活性化までの時間が掲載されています。

新型コロナウィルス消毒 次亜塩素酸ナトリウム スプレーしてみた

ワンプッシュでこの様な感じでスプレーされます。

使用後に拭き取りの必要が無さそうだったので購入したのですが、この商品は次亜塩素酸ナトリウム100ppmの記載がありました。

100ppm を調べたところ、次亜塩素酸ナトリウム0.01%に相当する濃度で薄い物でした。

それ故に、金属腐食の心配が少なく、使用後の拭き取りと水洗いの記載が無かったのだと思います。

新型コロナウィルス対策としては濃度が薄いので、完璧を求める方にはオススメはしません。

しかし、スプレー後の拭き取り作業が不要というメリットがあり、拭き掃除を兼ねて消毒する程度の用途にはとても向いていると思います。

「食器洗い後のまな板、包丁、スポンジへ」という記載もあるので、普段使いにも良いと思います。

我が家で、スイッチ、ドアノブ、テレビ等のリモコン、冷蔵庫、手すり、椅子の背もたれなど、コロナウィルスが付着しているかどうか分からないなー、という程度の場所の拭き掃除に使ってみましたが、とても便利でしたので、商品リンクを張っておきます。

キッチンペーパーにスプレーして、スイッチやリモコンなどの消毒をすると良いと思います。

追記:この記事を書いてから1週間が経過しました。
この商品を使って、手で触る部分を毎日消毒。キッチンペーパーで拭き取る様にして使っていますが、使い勝手がとても良かったので、買って正解でした。

 

次亜塩素酸ナトリウム(0.1%|0.05%)を自分で作る方法

次亜塩素酸ナトリウムの製品が品切れでなかなか手に入らない!

家族に感染者が出たので、急いで消毒をしたい!

そんな時には、自分で作ってしまう方法もありますのでご紹介します。

水で薄めた液は次亜塩素酸ナトリウムが分解しやすいので、基本的に作り置きすることは出来ません

衣料用「ハイター」

ハイター(次亜塩素酸ナトリウム)
次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、近所の小売店で売られている物は、衣料用漂白剤の「ハイター」です。

ハイターの成分情報を見ると、水・次亜塩素酸ナトリウム・水酸化ナトリウムと書かれていますが、濃度の記載が無いので花王の消費者相談室に聞いてみました。

濃度については非公表ということで教えて頂くことは出来ませんでした。

花王ページに以前掲載されていた「希釈の目安」が削除され(2020年3月12日時点)ていましたが、新たにコロナウイルス対策として希釈割合が掲載されておりました。

それに基づいた希釈の割合をご紹介します。

 

次亜塩素酸ナトリウム 0.1%以上 

作りたい量 ハイターを入れる量
100ml 5ml(ペットボトルのキャップ1杯)
250ml 12.5ml(キャップ半分)
500ml 25ml(キャップ1杯)
1000ml 50ml(キャップ2杯)

トイレや洗面所など、確実に消毒をしたい場所に使用する濃度になります。

 

次亜塩素酸ナトリウム 0.05%以上 

作りたい量 ハイターを入れる量
100ml 2.5ml(ペットボトルのキャップ半分)
200ml 5ml(ペットボトルのキャップ1杯)
500ml 12.5ml(キャップ半分)
1000ml 25ml(キャップ1杯)

ドアノブ等ウイルスが付着している可能性のある場所の拭き掃除に使用する濃度です。使用後は水拭きが必要です。

 

希釈した液は、次亜塩素酸ナトリウムが分解されやすくなるので、その都度作るようにとのことです。

 

参考として、ノロウィルス対策で、ドアノブや手すり等を拭く濃度は、0.02%という情報もご紹介します。

次亜塩素酸ナトリウム 0.02%以上 

作りたい量 ハイターを入れる量
500ml 5ml(ペットボトルのキャップ1杯)
1,250ml 12.5ml(キャップ半分)
2500ml 25ml(キャップ1杯)
5000ml 50ml(キャップ2杯)

次亜塩素酸ナトリウム0.02%は、対象物を痛めにくい薄い濃度になります。

 

メーカーの希釈についてのページには「1000ppm以上、500ppm以上、200ppm以上」と「以上」が書かれていますので、上記の割合だと濃いめに作られてしまうのかもしれません。

多少濃い分には、しっかり消毒出来そうですが、濃すぎると消毒する対象物を痛めてしまう可能性もあります。

少し余分に薄めるにしても、どの程度まで薄めて良いのか、よく分かりませんね。

 

もう少し信頼出来る濃度を求める方は、次にご紹介する「病院用ハイター」で希釈する方が良いかもしれません。

※「キッチンハイター」は、「ハイター」に「界面活性剤」が追加された物です。参考
※「キッチン泡ハイター」は、「キッチンハイター」に泡立つよすにする純石鹸分の「界面活性剤」が追加された物です。

病院用ハイター

病院用ハイターには、「次亜塩素酸ナトリウム6%」の記載があります。

「病院用ハイター」は通販で入手できます。

使用時の製品有効塩素濃度の規格は無く、使用期限の記載はありません。
製造から時間が経過していたり保管状態が悪いと、製品に記載の濃度より薄くなっている可能性はありますが、病院用ハイターの計算上の希釈割合は次の表のとおりです。

5~6%の原液を使用して希釈液を作る方法

作りたい量 新型コロナウィルス対策 ノロウイルス対策
(0.02%)
確実な消毒
(0.1%)
ウイルス付着の可能性
(0.05%)
250ml 原液 5ml 原液 2.5ml 原液 1ml
500ml 原液 10ml 原液 5ml 原液 2ml
1000ml 原液 20ml 原液 10ml 原液 4ml

 

番外編:WBSで紹介のウイルス除去法

3月9日放送の経済情報番組「WBS(ワールドビジネスサテライト):テレビ東京」で、消毒薬が手に入りにくいなかで、アルコール消毒薬の代わりに、スチームクリーナーを使って除菌する方法を紹介していましたので、ご紹介します。

高圧洗浄機で有名なドイツのケルヒャーが販売している、およそ100℃の高温蒸気で汚れを落とすというスチームクリーナーを使う方法で、99%以上の菌やウイルスを除去できるとのことです。

「新型コロナウイルスでは効果は未確認」とカッコ書きで画面に書いてありましたが、これまでのウイルスでは確認しているようですので、おそらく同様に効果はあるのでしょう。

新型コロナウイルス騒ぎが沈静化した後も、お掃除用品として普段使いができるので、なかなか良いかもしれませんね!

こんな方法もありますよ!というご紹介でした。

 

参考情報:次亜塩素酸水

「次亜塩素酸ナトリウム」と似た名称の消毒液に「次亜塩素酸水」があります。

厚生労働省からも、「次亜塩素酸水と次亜塩素酸ナトリウムの同類性に関する資料 」という物が出されていて、歯科医の先生のこちらのページで「新型コロナウイルスに対する殺菌消毒に有効な可能性が高い」と指摘されています。

そんな次亜塩素酸水ですが、次亜塩素酸水は「有機物と接触すると、素早く反応して水に戻る」性質があり、それ故に吐瀉物や排泄物などに直接スプレーなどで振りかけても、全てのウイルスを殺菌することができない参考①参考②とのことです。

有機物に接触すると素早く水に戻るという特性により、使用時には直接対象物に吹きかける必要があるようです。

ティッシュ等に吹きかけてから対象物を消毒しようとしても、ティッシュ自体が有機物のためにティッシュに吹きかけた瞬間に水になってしまい、単に水拭きしているのと同じことになってしまいます。

この様に、すぐに水に戻る性質があるために安全とされており、アルコール消毒の代わりとして、手の消毒にも使えるということのようで、大和市が市民に配布するなどニュースになっておりました。

手の消毒用などで、アルコールが入手できない時には、次亜塩素酸水がオススメです。

 

次亜塩素酸水は、紫外線に弱く、高濃度の物ほど保管期限が短いそうです。

保管方法はもちろんですが、容器に移して使う場合なども、よく注意しないと単なる水で消毒しているつもりになってしまう可能性があります。

それらの点に気を付ければ、とても安全で殺菌力があるので、使い勝手の良い消毒剤と言えそうです。