車のバッテリーと同じ電圧、12V電源で点灯するLEDライトの明るさをコントロールできる、自作調光器をご紹介します。
前作の「LED調光器の製作(抵抗使用の簡易バージョン)」は、明るさが2段階しか調節出来ませんでしたが、こちらは無段階で明るさのコントロールが出来ます。
我が家では、台所に設置した自作LEDライト用の調光器として使用しています。
電子回路の知識が殆ど無い筆者が作った回路なので、専門知識のある方から見たら変な回路になっているかもしれませんが、とりあえず実用的に使えているので、ご紹介します。
半導体を使用した調光器(Version 2)
前作「LED調光器の製作(抵抗使用の簡易バージョン)」では、もっと明るくしたい!、もっと暗くしたい!という要望に対応出来ませんでしたが、半導体を使用したことにより、無段階で調整出来る様になりました。
定格寸前の明るさから、常夜灯(5Wの豆球)クラスの明るさまで調整することが出来ます。
電源は、12VのACアダプタだけでなく、12Vバッテリーを接続して使うことも出来るので、停電時でも普段と全く変わらぬ明るさが得られます。
この調光器の最大の特徴は、定格12VのLEDに対し、電源電圧が12Vのバッテリーをつないで使っても、最大出力電圧の降下が殆ど無いので実用的に使えるという点です。
写真では雰囲気だけしかお伝えできないと思いますが、ご紹介します。
1回路バージョン
制作直後に撮影し損なってしまったため、使用中の画像ですが、調光回路が1回路入っている試作2号機です。
現在は私の部屋で、節電用の照明として使用しております。
2回路バージョン
1枚の基板に、2つの調光回路を入れた、試作3号機です。
2カ所のLEDライトをコントロールしたかったので、2回路詰め込んで作ってみました。
下に2つ付いている黒いつまみが、明るさを調整するボリュームです。基板上部の中央にある黒い物は、電源コネクタです。
半田付けが下手なのでお見せしたくない場所ですが、基板の裏側はこの様な状態で結線しております。
無駄な配線が増えない様に、部品の配置をかなり頑張って考えたのですが、私の頭ではこれが限界でした..。
結果的には、その場の成り行きで作った感じです。(^^;
こちらが、壁面取付直前の試作完成品です。
台所用と食卓用の自作LEDライトを調光する目的で試作しましたが、試作品のまま現在も使い続けております。
木の板の裏側に見えている物は、引っ張ることで剥がせる両面テープで、本棚の壁面に貼り付けて使用しております。
下にある大きなスイッチ左側がキッチン用、右側が食卓用で、この基板の回路自体、左に1回路、右に1回路となっております。
基板下部中央の青い端子が、ライトへの接続端子です。
この調光器は、次のページの作品に使用しています。
自作について
回路図
「低損失可変レギュレーター PQ20RX11」を使い、出力電圧をコントロールして、調光できる様にした回路です。
<回路図>
※メーカーの参考回路によるとC1が0.33μF、C2が47μFです。
※C2は47μFでリプル除去用なので、電解コンデンサーを用いるべき場所でしたが、私は何を勘違いしたのかC1と同じ手元にあった0.33μFを、試作全てに使っています。でも動いていますが..。
PQ20RX11 の出力範囲は、3~20Vで、入力からの電位差は最大0.5Vという物です。(※一般の可変三端子レギュレーターは、電位差が3V程有り)
知識不足で正確なことが分かりませんが、おそらく可変三端子レギュレーターの低損失版の様な物ではないかと思います。
この調光回路の使用上の想定は、入力電圧が12V(バッテリー電源の場合は、13V程度の場合有り)なので、規格上はそれより0.5V低い電圧の約11.5V(バッテリーなら12.5V程度)が最大出力電圧のはずです。
※電源の逆接破損防止にショットキーバリアダイオード(1N5822)を利用しているので、ここでも約0.5Vほど電圧が下がるのかもしれません。
上記の回路図は、当初作成した時の基本形です。
実際に作ったところ、ボリュームを絞りきる前に真っ暗になってしまったので、少々強引な気がしますが、上の回路図の一部を次の様に変更しました。
上の外観写真に写っている回路には、可変抵抗の部分に並列に固定抵抗を入れて、見かけの抵抗値を変えて微調整してあります。
取り付けるLEDライトの種類によって、抵抗の値を多少変えないと上手く調光出来ないかもしれませんので、作られる方は適当に調整して下さい。
R2は半固定抵抗で、最大の明るさ調整用です。
今回の工作の前に、PQ20RX11の使用方法として、カスタムエンジ研究室さんの「直流電源の改造」の記事を参考にさせて頂きました。有り難うございました。
自作する前に
私がこの回路を自作する時に、大まかに計算した抵抗値で上手く動くか、ブレッドボード上でテストしてから作りました。
しかし、使用するLEDや使用電圧など環境が異なると、思い通りの結果が得られない可能性があります。
この記事を参考にチャレンジしてみようと思われた方は、ブレッドボードで試作してから作られた方が良いと思います。
使用したパーツ
- 低損失可変レギュレータ PQ20RX11 【秋月電子】
- 小型ボリューム(R1) 5KΩA 【Amazon | 秋月電子 (※)】
- 半固定ボリューム(R2) 5KΩ [502] 【Amazon | 秋月電子】
- 抵抗(R3) 2.2KΩ 【Amazon | 秋月電子】
- 抵抗(R4) 2KΩ 【Amazon | 秋月電子】
- ショットキーバリアダイオード 1N5822 【Amazon | 秋月電子】
- コンデンサー(C1) 0.33μF 【Amazon | 秋月電子】
- 電解コンデンサー(C2) 47μF 【Amazon | 秋月電子】
- ターミナルブロック 2ピン 【Amazon | 秋月電子】
- DCジャック 【Amazon | 秋月電子】
- ブレッドボード(セット) 【Amazon | 秋月電子】
※ボリュームには、回転角度に応じて比例して抵抗値が変わるBカーブの他に色々あります。私はBカーブしか入手出来ず、回転角度に比例した明るさに出来ませんでした。この作品を作るには、Amazonで入手可能なAカーブを用いた方が良いです。