停電対策・節電の兼用、日常使える自作LED照明

 

この記事は、電気に関する工作が好き、または電気工作はできるよ!という方を対象にした内容です。

災害時の停電対策や節電対策を考えていて、自作してみたいという方は参考になると思います。

私の家では、車と同じ電圧の12Vのバッテリーを使って、キッチンと食卓の照明には、自作のLEDライトを点灯させて、日常生活をしています。

落雷などで突然停電しても、真っ暗になること無く同じ明るさで点灯し続けますし、長時間停電しても照明に困ることはありません。

東日本大震災後の2011年夏より、私の家で使っているのでご紹介します。(2023年6月現在も毎日使用中)

 

停電対策・節電兼用のLED照明を自作したキッカケ

今は常に電気が来ていて、スイッチ1つで部屋を明るく出来るのは当たり前。

しかし、 明る過ぎる!= 贅沢 = 電気の無駄遣い と思った事はありませんか?

私は、東日本大震災の後の計画停電電力不足からの節電要望を経て、そう思うようになりました。

昔、電気が無かった時代には、ロウソクや行灯(あんどん)の灯りしかありませんでした。懐中電灯の灯りより暗い光の中で生活していたのです。

さすがに、そこまで薄暗い中で生活する気にはなれませんが、利便性を損なわずに、災害時の停電対策、計画停電対策、節電対策として、

  • 夜間突然停電しても、部屋の灯りが困らないように出来ないか?
  • 電気代を少しでも安く済ませて生活出来ないだろうか?

そんな事を考える様になりました。それらを実現させるためには、

  • 停電時に、蓄電池を利用して、ある程度の明るさが得られること
  • 普段の生活で、節電目的としても使えること

この2つの目的を果たせる照明器具を取り付けること。

しかし、市販されている商品は見当たりません。※2011年の執筆時点

それならば、自作してみよう!

ということになりました。

自作に使用した、LED照明の紹介

選んだLED照明は、秋月電子通商で売られている、白色パワーLEDバー。
(商品型番:OSMC57I12GP-W4XME1C1E

秋月電子通商で売られている棒状のLEDライト

LED1個当たりの定格は 1W で 100ルーメンの明るさです。
このLEDランプがバー状の土台に12個連結された、定格12Wの棒形LEDユニットの商品です。
定格で使えば1200ルーメンの明るさなので、とても明るいです。

この商品を選んだのは、

  • 車のバッテリーと同じ電圧の12V電源を使える
  • UPS(無停電電源装置)等で使われている汎用の鉛蓄電池(ディープサイクルバッテリー)が使える

という理由からです。

 

LEDライト設置の状況

このLEDライトは、車のバッテリー12Vを直接接続しても使用できますが、省エネ・停電対策用なので、減光させての点灯です。

減光させるための自作の減光器(記事下に掲載)を接続し、LEDバーライトを2本用意して、同時に点灯させる事にしました。

1本は、部屋全体を明るくするためにキッチンの上部に取り付けました。

 

秋月電子通商で売られている棒状のLEDライト(キッチン上部)

 

もう1本は、シンクの真上に取り付けて、料理や洗い物が出来る様に、手元が明るくなる様な場所に。

すぐ近くに20Wの蛍光灯がある場所に取り付けてみました。

 

秋月電子通商で売られている棒状のLEDライト(シンク上部)

 

秋月電子通商で売られている棒状のLEDライト(シンク内)

 

包丁研ぎ中の写真ですが、停電時に利用できるライトとしては、明るさも申し分なく完璧です!

因みに現在は、次の項目にあげた「調光器Version 3」を接続して使用しており、もっと明るいです。

日常でも十分使える明るさに調光して使っています。

この照明はバッテリー接続なので、停電しても電池が無くなるまで、キッチンの照明は点灯し続けます。突然停電しても、キッチンの照明は点灯し続けるので、困る事がありません。

バッテリーへの充電は、次のうちお得な方法で行うと良いでしょう。

  1. 電気料金の安い時間帯にバッテリーに蓄電した電気を使用
  2. 太陽電池パネルで発電した電気をバッテリーに蓄電して使用 (FIT卒にも最適)

節電と停電対策、両方を実現した、私の理想の状態を作ることが出来ました。

 

減光器・調光器

省エネ・停電対策用なので、減光させて点灯させるため、減光器を自作しました。

抵抗使用の初代作品(Version 1)

完璧な省エネを求める場合は、スイッチング回路?で作るらしいのですが、そこまでの電子回路の知識が無いので、単純に22Ωのセメント抵抗を2個使用して、切り替える様にスイッチを付けました。

明るくする時は22Ωの抵抗1本のみ、暗くする時は22Ωの抵抗を直列接続で2本、合計で44Ωの抵抗を間に入れることで電流を減らし、2段階の減光をさせるという単純な物です。

LEDライト用の自作減光器①

 

普段は節電目的で利用なので、12VのACアダプターを接続して使い、停電時にはバッテリーを接続して使用します。

停電時でもLoモードで十分の明るさが得られました!

この組み合わせで、Loモード時で約0.14A、Hiモードで0.22A位でした。
7.2Ahの鉛蓄電池ならば、計算上はLoモードで約50時間点灯可能です。
※鉛蓄電池の寿命を考慮すると、実用上は30時間程度を限度にした方が良いと思います。

1日6時間使用したとして、不自由しない最低線の明るさで8日間過ごすことが出来ます。
停電対策に、作ってみては如何でしょうか?

作り方 >>> LED調光器の製作①(抵抗使用の簡易バージョン)

半導体を使用した可変調光器の作品(Version 2)

人間、欲が出てくるものですね。
初代の抵抗を使ったバージョンでは、ちょっと薄暗い。普段使いとしては、明るさ調整と省エネの点でも納得が出来なくなりました。

電子回路の知識が無いのに、無い知識を総動員して作ったので、回路的に間違っているかもしれませんが、今日まで問題なく使えている、という可変調光器がこちら。

 

LEDライト用の自作調光器②

こちらは、2回路入っています。

作り方>>>LED調光器の製作②(12V電源、低損失可変レギュレータ PQ20RX11 使用)

 

昇降圧コンバーターとPWMコントローラーを組み合わせた作品 (Version 3)

上記Ver.2は、部品が露出したままの試作品を使用していたこともあり、何かと不具合がありました。(^^;

近年はAmazonに、安価で高性能な完成品パーツが売られているので、組み合わせて作った方が良い物が出来そう!

という事で、ケースに入れて作った物がこちら。

LEDライト用の自作調光器③

作り方については、準備ができ次第ご紹介致します。

電源電圧5~32V、LEDへの最大給電電圧は3~35Vの範囲で調整可能、最大4Aまで対応、PWM制御の可変コントローラーで高効率!

同じ明るさでの消費電力は、Ver.2以前の物よりもかなり少なくなりました。

しかも昇降圧コンバーターにより、バッテリー電池残量の減少による電圧低下や、長距離配線による電圧降下があっても、明るさに影響無し!!(以前のVer.2までは、モロに影響を受けました)

自作LEDの調光は、これで完璧です!!

電気代節約を求めた結果、現在の使い方

現在は、可変調光器(Version 3)を使用しています。

照明は、キッチン用にLEDバーライト2本と、食卓用に秋月電子で購入した白色LED2個を使用。

部屋の照明器具は基本的にこのライトだけで使っています。

電源は、12Vバッテリーです。

以前は、激安で買える夜間の電気を使って、バッテリーを充電しておりました。

現在は、設置から10年を超えた太陽光パネルの余剰電力を使って、バッテリーを充電しています。

バッテリーはUPSで使い古した物や、車の使い古した物を使っているので、電池代もかかっていません。

 

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