これまで銀行の窓口で手続きしていた源泉税の納付。最近では窓口の数も減りましたし、わざわざ銀行に行くのが手間に感じることもありますよね。そんな悩みを解決してくれるのが、e-Taxとネットバンキングを活用した電子納付です。「導入は面倒…」と感じていた私も、実際に試してみたところ、思ったより簡単にできました。
この記事では、その具体的な方法とポイントを分かりやすく解説します!
源泉所得税をネットで納付する方法とは
e-Tax(国税電子申告・納付システム)を利用して、源泉税納付書を作成した後、ネットバンキングを利用して預金口座から、国税を電子納付する方法です。
e-Taxとネットバンキングを利用すれば、パソコンから納付が可能です。
電子納付を始めるために必要な準備
電子納付をするには、最初に幾つか準備が必要です。
e-Tax利用の申し込み
源泉所得税を電子納付するには、e-Taxの「利用者識別番号」を取得して利用できる状態にしておく必要があります。
「利用者識別番号」を取得していない方は、e-Taxを始めるための準備が必要です。
e-Taxのホームページのご利用の流れページから取得できます。個人の方、法人の方、それぞれのタブを選ぶと、取得の方法について複数の案内が出てきます。
ページ内をスクロールすると沢山書かれていますが、「1.利用者識別番号の取得」の欄だけ見ればOK!
利用者識別番号の取得が出来れば良いので、他の部分は無視して大丈夫です。
マイナンバーカードを使って登録する方法がオススメですが、マイナンバーカードが無くても登録が可能です。ネットでの登録が難しく感じる方には、こちらのページから用紙をダウンロードして書面で取得する方法もあります。
ネットバンキングの契約
利用している金融機関で、インターネットバンキングの契約をします。このとき、「税金・各種料金払込サービス」(Pay-easy:ペイジー)の利用が出来る銀行であるか、確認が必要です。
もし出来ない場合は、「税金・各種料金払込サービス」(Pay-easy:ペイジー)の提供がある他の金融機関に口座を作るか、ダイレクト納付の手続きをして納付する方法があります。クレジットカードを利用した納税も可能ですが、決済手数料が発生するので注意が必要です。
パソコンの設定
このページで紹介する方法は、e-Taxソフト(Web版)を使うのですが、初回利用時だけ少しだけ事前準備が必要です。
納付書を作る時に表示される「事前準備セットアップへ」という画面から指示に従って操作すれば、簡単に準備が出来るはずです。
私はかなり前から利用していた関係で、事前準備がすでに出来た環境のPCだったため、設定画面のスクリーンショットが残せませんでした。詳しい内容を確認したい方は、こちらのページに書かれていますので参考にして下さい。
源泉税納付書の作成と電子納付の方法
ここからは、e-Taxで源泉税納付書を作成し、ネットバンキングで納付するまでをご案内します。
e-Taxにログイン~
まず初めに、e-Taxへログインするまでの手順を解説します。
ログインボタンを押すと、個人か法人かの選択画面が出てきますので、該当する方をクリックします。

法人の場合は、利用者識別番号等の入力画面のみが出てきます。
個人の場合は、マイナポータル経由でのログインや、マイナンバーカード・スマホ用電子証明書でのログインも可能ですが、ここでは利用者識別番号を使ってのログインで説明を統一します。

利用者識別番号の入力は、半角数字、ハイフン無しで数字のみで入力をします。
以上の操作で、ログインが出来ます。
e-Tax上で、源泉税納付書を作成する
ログインした画面より、「申請・納付手続を行う」から中に入ります。

※法人の場合は、「確定申告を行う」が表示されない画面が表示されます。

Web版を初めて利用した時のみだと思いますが...
「基本情報の登録へ」という画面が出た場合は、画面の指示に従い、内容を入力します。
基本情報の登録が終わっている場合は、「事前準備セットアップへ」または「スキップする」を選択する画面が出てきます。

既に端末のOS・ブラウザに対応した事前準備が出来ている方は、スキップしてOKです。
準備が出来ているか分からない方は、「事前準備セットアップへ」を選択して、画面の指示に従って確認またはセットアップを行います。
「新規作成」から、「操作に進む」をクリックして、作成を開始します。

「徴収高計算書を提出する」の項目から、「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」と書かれている部分(以下の画像2つの項目)から、どちらか該当する方を選択します。

毎月納付されている方は、(一般)と書かれている方をクリックします。
「納期特例」の適用を受けている方(1月と7月の年2回納付している方)は、(納期特例分)と書かれている方をクリックします。
表示されている提出先税務署を確認し、合っていれば「次へ」をクリックします。
- 手書きの納付書に書く場合と同様に、納税に係わる年月を入力します。
- 給料や賞与、報酬等の金額を入力しようとする欄の区分にチェックマークを入れます。
※以下の画面は「納期特例」を例にしたものです。

入力が完了したら、「次へ」をクリックします。
前の画面の区分にチェックマークを入れた部分が、白抜きの入力が可能な枠となり表示されます。
支払年月日、人員、支給額、税額、年末調整による過不足額など、手書きの納付書に書いていた時と同様に数字などを入力していきます。

左下に「所得税徴収高計算書用紙の送付の要否」の欄があります。
今後も納付書を郵送してもらいたい方は、「要」にチェックを入れることを忘れずに!
入力が完了したら、「次へ」をクリックします。
手書きの納付書と同様の形式で、数字が入ったものが表示されます。
入力内容に間違いがある場合は、画面下部の「戻る」ボタンから前に戻って修正します。
内容に間違いが無ければ、「次へ」をクリックします。
送信確認画面が出てきますので、「送信」をクリックします。
すると、本当に送信しても良いですか?と、サブウインドウが出てきますので、「はい」をクリックします。
「即時通知の確認」という画面に、「送信が完了しました」という以下の画面が出てきます。

「受信通知の確認」をクリックします。
電子納付の手続き
ここからは、インターネットバンキングから行う納付の手続きに入ります。
上の画面で、「受信通知の確認」をクリックすると、次のような画面が表示されます。
画面を下にスクロールすると、「電子納税」という項目が出てきます。
この下にある「インターネットバンキング」をクリックします。

e-Govのページが開きますので、支払をする金融機関の種別を選択をします。

以下は、銀行・信託銀行を選んだ画面です。
契約しているネットバンキングを選択します。
「利用可」になっている金融機関であれば、納付が可能です。

画面の指示に従い、ご利用の金融機関にログインします。
ログイン後は、納付の画面が表示されますので、画面の指示に従って進めて行けば、納付が完了します。
まとめ
源泉所得税の納付で、「窓口が減って困る」「平日に行く時間がない」と感じる方も多いでしょう。そんな方におすすめなのが、e-Taxとネットバンキングを活用した電子納付です。実際に使ってみると、その便利さと効率性に納得できるはずです。
これまで銀行窓口で1時間近くかかっていた手続きが、自宅や職場のパソコンでわずか5~10分ほどで完了します。さらに、全てを電子的に行えるため、紙の書類の整理や保管の手間もなくなります。納付期限が迫っても、手間なく処理が進むため、業務のストレスが軽減されるでしょう。
一方で、紙の納付書管理に慣れている方は、不安を感じるかもしれません。しかし、税務署も電子化を進めており、申告書の「控」に収受印を押さない時代になりました。この流れを機に、思い切って電子的な方法に切り替えてみてください。
導入には、e-Taxの利用登録やネットバンキングの契約が必要です。しかし、手順を一つずつ進めれば難しいことはありません。一度設定を終えれば、次回以降の手続きはさらに手軽に進められるようになります。この便利な仕組みを、ぜひ活用してみてください!