日常生活で何気なく使っている単位、
- シャープペンの芯の太さ、0.5mm(ミリメートル)
- 最寄り駅まで、1km(キロメートル)
- お米、10kg(キログラム)
- ペットボトルのお茶、500mL(ミリリットル)
- スマホのメモリー容量、128GB(ギガバイト)
これらの元の単位は、m(メートル)、g(グラム)、L(リットル)、B(バイト)です。
単位の前に、k(キロ)・M(メガ)・G(ギガ)・c(センチ)・m(ミリ)...というSI接頭辞(エスアイせっとうじ)を付けて使っています。
SI接頭辞は、他にも沢山あります。
それでは、もう少し詳しく見て行きましょう!
SI接頭辞(SI接頭語)
SI接頭辞は、国際単位系(SI)として国際的に定められている単位の前に付けて、量の大きさを簡潔に表現するために用いられるもので、SI単位の前に付ける10進数の整数乗倍を意味する接頭語です。
SI単位しか使えないわけではなく、他の様々な単位にも使用されています。
「SI接頭辞」は、「SI接頭語」と書かれている場合もあります。
日本語版理科年表や日本産業規格(JIS)、通産省の計量単位規則などでは、「SI接頭語」と表記されています。
つまり、「SI接頭辞=SI接頭語」です。
SI接頭辞って、どうやって使うもの?
SI接頭辞は、単位の前に10n(10のn乗)を付けることを表す記号のことです。
日常よく使う単位で考えると、とても分かりやすいです。
例えば、
1000m は、1km ですよね。
細かく分解すると、
1000m = 1×1000m = 1×103m =1km
となります。
また、1m は 100cm ですよね。
これを分解すると、
1m = 100×10-2 m = 100cm
となります。
小さな数字も確認しておきましょう。
1cm = 1×10-2 m = 0.01m
となります。
SI接頭辞は、下記に示す「SI接頭辞一覧」にあるように、数多く 10n の記号があります。
一般的に使われませんが、このルールに従えば、次の様な表記も可能です。
例えば、土地の面積を表す ha(ヘクタール)という単位。(100m×100m=1ha)
これは、h(ヘクト)というSI接頭辞に、a(アール)という面積を表す単位を組み合わせたものですが、このhを使って長さを表すと、
100m = 1×102 m = 1hm(ヘクトメートル)
と表せたりします。
同様に、体積に使われる dL(デシリットル)という単位も、 d がSI接頭辞なので、メートルで使ってみると、
10cm = 1×10-1 m = 1dm(デシメートル)
と表せたりもします。
このように、0の数を省略して簡素に表したい時に、SI接頭辞は使われます。
SI接頭辞の一覧
10n | 接頭辞 | 記号 | 十進数表記 |
---|---|---|---|
1030 | クエッカ(quecca) | Q | 1 000 000 000 000 000 000 000 000 000 000 |
1027 | ロンナ(ronna) | R | 1 000 000 000 000 000 000 000 000 000 |
1024 | ヨタ(yotta) | Y | 1 000 000 000 000 000 000 000 000 |
1021 | ゼタ(zetta) | Z | 1 000 000 000 000 000 000 000 |
1018 | エクサ(exa) | E | 1 000 000 000 000 000 000 |
1015 | ペタ(peta) | P | 1 000 000 000 000 000 |
1012 | テラ(tera) | T | 1 000 000 000 000 |
109 | ギガ(giga) | G | 1 000 000 000 |
106 | メガ(mega) | M | 1 000 000 |
103 | キロ(kilo) | k | 1 000 |
102 | ヘクト(hecto) | h | 100 |
101 | デカ(deca、deka) | da | 10 |
100 | 1 | ||
10-1 | デシ(deci) | d | 0.1 |
10-2 | センチ(centi) | c | 0.01 |
10-3 | ミリ(milli) | m | 0.001 |
10-6 | マイクロ(micro) | μ | 0.000 001 |
10-9 | ナノ(nano) | n | 0.000 000 001 |
10-12 | ピコ(pico) | p | 0.000 000 000 001 |
10-15 | フェムト(femto) | f | 0.000 000 000 000 001 |
10-18 | アト(atto) | a | 0.000 000 000 000 000 001 |
10-21 | ゼプト(zepto) | z | 0.000 000 000 000 000 000 001 |
10-24 | ヨクト(yocto) | y | 0.000 000 000 000 000 000 000 001 |
10-27 | ロント(ronto) | r | 0.000 000 000 000 000 000 000 000 001 |
10-30 | クエクト(quecto) | q | 0.000 000 000 000 000 000 000 000 000 001 |
※グレーの表示は、早ければ2022年に制定される予定の接頭辞(Wikipediaより)
「2進接頭辞」も存在する
SI接頭辞は、コンピューターの世界で使われる「bit(ビット)」や「Byte(バイト)」の単位でも使用されています。
しかし、コンピューターの世界は2進数なので、ズレが生じています。
例えば、こちら。
1TBとして売られているSSDなのですが、PCに接続すると..。
930GBになっていて、少なくない?
でも、998,833,020,928バイト、と書いてある方は、ほぼ1TB。
どういうこと??
という状態になります。
SI接頭辞の意味が分かったところで見ると、このズレは気持ちが悪いですよね。
理由は、コンピューターが2進数だからで、10進数で用いるSI接頭辞を混在して使ってしまっているからです。
正確に表すには、930GiBという「2進接頭辞」を使うべきなのですが..。
「2進接頭辞」については、こちらのページ にまとめてあります。