自動車のタイヤ交換。
交換の経験が無い人にとっては、どうやって良いか分からないし面倒で大変そう..。
一度でも交換の経験がある人は、ジャッキアップが大変!
そのように思う作業ではないかと思います。
少しでも楽をして早く終わらせたい。
1年に2回、しかも車1~2台だけですが、30年以上毎年交換していて、色々試行錯誤しているうちに、ここでご紹介する方法に落ち着きました。
このページで紹介する道具を使えば、タイヤ1本あたり約3分ほど。
下準備を含めて、車1台につき約40分程で交換が終わります。
しかも、あまり力を使わずに楽々交換することが出来ます!
目次
タイヤ交換の手順
交換するために最低必要な道具は、車を持ち上げる「ジャッキ」と、タイヤを固定しているナットを外すための「レンチ」です。
工具は車に付属の物でも使えますが、楽して早く作業するために私はいくつか用意しています。それらの道具を使いながらですが、交換する手順を解説します。
道具については、この記事の後半で詳しく解説します。
車止めでタイヤを固定する
タイヤ交換をする時には、持ち上げている時の万が一の事故を考えて、車止めを使うのが基本です。
車止めは、タイヤ交換するタイヤの位置と対角線上のタイヤに置きます。
ジャッキをセットする
楽して簡単に持ち上げることのできる、油圧のジャッキを使用しています。
ジャッキの土台は、多くが四角形だと思います。車に対して斜め45度の角度で置くことで、より安定します。
※安価なジャッキでは、角度を自由にセットできない物もあります。
ジャッキをセットする場所は、車の底の側面に凹みのマークがある部分「ジャッキ溝」に、画像の様な位置にジャッキを合わせます。
この段階で、ジャッキを完全に持ち上げてはいけません。
車体がほんの少しだけ浮き上がる程度を目安にしてセットします。
理由は、この次の作業で力を入れてナットを回すためで、完全に持ち上げては危険です。(ブレーキがかかっていない車輪の場合は、タイヤが回転してしまい、ナットを緩めることができません。)
ナットを軽く緩める
十字レンチでナットを軽く緩めます。
緩める順番は、対角線上です。
まだジャッキアップしていないので、ナットを完全に外してはいけません。
ジャッキで車を持ち上げる
ジャッキアップします。
油圧のジャッキは、写真のように指1本の力で動かせるほど軽い力で操作することができますので、女性でもジャッキアップできると思います。
ジャッキアップは、必要以上に持ち上げるのは危険です。
タイヤの取り外しと取り付けが出来れば十分ですので、地面とタイヤの隙間の目安は、上の画像を参考にして下さい。
ナットを外し、タイヤを付け替える
ナットを完全に外します。
地面に近いナットを一番最後に外した方が、外しやすいです。
その理由は動画を見て頂くと、一番最後のナットを外したときのタイヤの動きで何となく気付くかもしれません。
十字レンチで外すか手で外せば良いのですが、私は時間節約のために、電動ドリルドライバーを使って外しています。
ナットを仮止めする
ナットを止めるとき、最初は必ず手である程度まで回して止めます。
面倒だからと、工具にセットして回してしまうと、斜めに入っても気が付かず、ネジ山を潰してしまいます。
ある程度止めたら、十字レンチまたは電動工具で仮止めします。
止める順番は、先ほどと逆の順番で対角線です。
ジャッキを下ろす
油圧ジャッキは、画像の丸印部分を左に回転させるだけで、ジャッキを下ろすことができ、一瞬で下がるので楽々です。
回転角度としては、20~30度くらいでしょうか..。
回転させ過ぎると一気に車が下がるので危険ですし、何周も回してしまうと、油が漏れ出てしまいます。
ナットを本締めする
ジャッキを下ろしてから、番号の順番でナットを本締めします。
運転中に外れたら大事故に繋がるので、締め忘れの無い様に確実に締めましょう!
と、締めると一般的には締め過ぎになってしまいます。(女性でしたら思いっきり締めてちょうど良いくらいかもしれません)
締め過ぎや緩すぎ防止のためにも「トルクレンチ」を使った方が安全ですし、確実です。
私自身、以下の動画を撮影した時点では「トルクレンチ」を持っていなかったため、締めすぎていることに気が付きませんでした。
トルクレンチを使ってみたら、「えっ、こんなに軽く締めて大丈夫なの?」と思うほどでした。
私が買ったトルクレンチは、この記事の後半でご紹介しておりますので、宜しければご覧下さい。
一連の交換作業を動画で紹介
動画の左上に、作業開始から秒数カウンターが動き始めます。
2分52秒で付け替えが終わっていました。
油圧ジャッキと電動工具を使うと、サクッとタイヤ交換が出来ますので参考にして下さい。
持っていると便利な道具
工具は車に付属の物でも使えますが、楽して早く確実に作業するには、いくつか工具を用意します。
油圧ジャッキ,十字レンチ,トルクレンチ,車止め,電動空気入れ+動かすためのバッテリー、充電式ドリルドライバー,マイナスドライバー,革手袋、と色々ご紹介します。
油圧ジャッキ
カヤバの油圧ジャッキです。とても軽い力で持ち上げることができます。
この油圧ジャッキは、値段は少し高価ですが、日本製だけあって作りは大変良くできています。
以前、安価な海外製の物を使っていましたが、油漏れがあるなど不安がある商品でした。
私が持っているカヤバ製のジャッキは、現在販売されておりません。
カヤバ製に代わって、マサダ製作所のシザースジャッキ(MSJ-850 と MSJ-1000)が販売されています。(参考:カタログ)
型番の違いは、最大使用荷重の違いによるもので、MSJ-850は850Kg(使用車両重量:1,500Kg以下)まで、MSJ-1000は1000Kg(使用車両重量:1,800Kg以下)までです。
MSJ-1000は、差し込むハンドルが伸縮式になっているという違いもあります。
レース競技場やJAFロードサービスにも採用されています。
十字レンチ(クロスレンチ)
十字レンチ(クロスレンチ)は、4種類のサイズが付いています。特に毎年交換するような方は、十字レンチの使用がお勧めです。
理由は、ネジ山に対する負担が少ないからです。
下の写真は車に付属していた物ですが、L字のレンチはお勧め出来ません。
年2回交換していると3~5年程でナットがスムースに回らなくなり、最終的に部品交換した経験があります。
締めすぎが主な原因だろうとは思いますが、十字レンチでは同様に締めすぎていても交換に至る状況になったことは今まで一度もありません。
L字レンチは締め付けたり緩めたりする際に、斜めに力が加わるので、ボルトやナットのネジ山を削ってしまいます。
L字レンチは緊急用と考えた方が良さそうです。
トルクレンチ
トルクレンチは、無くてもいいやと思って、何十年も買わずにタイヤ交換を行っていました。
買って使ってみて、安心感と共に、作業の楽さを体感しました。
指定したトルクに達すると、「カチン」と音がして教えてくれます。
トルクレンチを持っていなかった時は、タイヤ脱落事故を起こしてはいけないという不安のため、十字レンチで思いっきり締め付けていたので筋肉疲労が大きかったです。
使ってみて初めて、こんなに軽くて良かったの?ということに気が付きました。
トルクレンチの価格はピンキリです。
海外製の物で安価に売られている物も多くありますが、トルクレンチは一種の「測定器」です。
中にはバネが入っているので、狂っていて締め付けが甘かったら、タイヤ脱落事故に繋がります。
私は色々吟味した結果、東日製作所の QL-140N-MH という型番のトルクレンチを購入しました。
私の車の締め付けトルクは、103N.m のため、この商品を選びましたが、車により締め付けトルクが異なるので、必ず車の取扱説明書を確認してから購入して下さい。
車止め
金属製の折りたたみ式タイヤストッパーです。昔は車の備品に付いていましたが、近年は別売り品になっています。
他にもゴム製など色々あるようです。
タイヤ交換時の万が一の事故を考えて、安全のために使用した方が良いです。
電動空気入れ
車のシガーソケットを利用した電動の空気入れです。
写真は日立(日本製)のものですが、既に製造中止のようです。
エンジンを切った状態で車のバッテリーを使うと、バッテリーを傷めてしまうので、私はUPS(無停電電源装置)の廃棄電池を非常用として保管しておき、その鉛シール蓄電池にシガーソケットを取り付けて使っています。
充電式電動ドリルドラバー
充電式のドリルドライバーは、作業時間短縮のためだけに使用しますので、無くても良い物です。
インパクトに切り替えると最大締付トルク 100N・m以上あるタイプを使っていますが、車のナットを止めるのは、トルクが全く足りません。
これだけで締め付け完了することは、絶対にしないで下さい!!
革手袋
作業用の革の手袋です。
ケガ防止にもなりますし、何より手が汚れないのでお勧めです。
普通の軍手では、汚れが通り抜けて手が真っ黒になります。
マイナスドライバー
マイナスドライバーは、必需品ではありません。タイヤに挟まった小石取りに使うので、先の細い金属棒であれば何でも良いです。
ホイールによっては、ナット部分を隠す化粧パネルが付いている場合に、外す時にも使えるので用意しておくと便利です。
小石を取りつつ、タイヤに何か刺さっていないか、チェックします。
たまに、次の画像の様に埋まっていることがあります。
小石であれば良いのですが、釘などの金属物の場合がありますので、取り除いてみます。
小石なのか金属なのかよく分かりませんでしたが、三角形の物体が穴に刺さっていました。
もっと長い物が刺さっている場合は、取り除く時に空気が漏れる音がするので、タイヤに損傷があることに気が付きます。
翌年にタイヤ交換する時になってパンクに気付くと、タイヤ交換が出来なくなってしまうので、タイヤを外した時にタイヤの表面と側面のチェックをしてから保管することをオススメします。
関連記事