APC社の無停電電源装置 Smart-UPS1500 のバッテリーには寿命があります。
使用環境によりますが、3~5年に1度はバッテリーを交換しないと停電の時に使い物になりません。
純正品の RBC7L と交換すると、4~5万円位かります。
出来ることなら、もっと安く交換したいですよね!
市販のバッテリーを使えば、純正品の定価の半額以下で交換することが出来ます。
目次
交換するバッテリー
純正品
はじめに、純正品からご案内します。
Smart-UPS1500 のメーカー指定純正バッテリーは、RBC7L です。
APCの公式サイトのRBC7Lは、税込みで55,000円で販売されているので、純正品を購入する場合でも、他の通販サイト等で購入した方がかなり安く入手することができます。
純正の交換バッテリーには接続コネクターが付いています。UPS本体から古いバッテリーを取り出して、新しく購入したバッテリーと入れ替えるだけなので簡単です。また、純正品という安心感が得られる点もポイントです。
純正品はどの様なバッテリーなのでしょうか?
UPSに内蔵されていた純正品のバッテリーから、カバーやコネクター等を外して、中身の電池を確認してみましょう!
電圧12Vのバッテリーが2つ、両面テープで貼り付けられています。
このままではバッテリーの型番が見えませんので、剥がしてみましょう!
かなりしっかりと貼り付けられています。
GS YUASA の PXL12180 という型番と、MADE IN TAIWAN の文字が書いてありました。
中身は、小型制御弁式鉛蓄電池(小型シール鉛蓄電池)で、このサイズのバッテリーは市販されています。
非純正品
純正品と同じサイズの小型制御弁式鉛蓄電池(小型シール鉛蓄電池)であれば、交換することができます。
オススメは、日立化成(旧:新神戸電機)のHF17-12A で、UPS用に開発された日本製の高率放電用電池です。(電池仕様はこちら)
国産のバッテリーで、APCの純正品よりは性能が良いと思います。私は初回交換時より、既に3回ほどこのバッテリーと交換して使っていますが、今までトラブルが起きたことはありません。
とは言え、純正以外に交換した場合は、メーカー保証・サポート等は一切受けられなくなります。この記事を参考にして、感電・火災等の何らかの事故や不具合が生じても責任を負いかねますので、交換は自己責任でお願い致します!
もっと安価で多く流通しているLONGという海外メーカーのバッテリーもあります。昔は品質が悪く、UPSでは持ちが悪いなどの記事を何件か見かけました。ブクブクになってしまった、LONGバッテリーの記事にもある様に、かなり高熱になっていた様子ですので、一歩間違えば火災に繋がりかねない状態になっていたのでしょう。おそらく昔に比べてLONGも品質は向上していると思いますが、やはり安いのにはそれなりの理由がある訳で、値段相応ということもあると思います。
停電時のパックアップが目的のUPSなので、安価なバッテリーを入れたために出力不足で、いざという時にバックアップ時間が足りない様では意味がありません。非純正品にしてコストダウンするにしても、日本メーカーのバッテリーを選んだ方が安心だと思います。
交換方法
ここで紹介する機種は、一世代前のAPC Smart-UPS1500 (SUA1500JB) です。
バッテリーを取り出す
前面パネルを開けて、金属パネルのネジを外して蓋を開けます。
バッテリーを引き出します。
次に、バッテリーから本体に繋がっている太い電線のコネクターを外します。
※私のこのUPSは、「バッテリー延命装置」を取り付けてあるので、上の写真に写っている2本の黒い線は、通常は接続されていません。
古いバッテリーの端子カバー取り外しと、コネクターケーブルを外す
バッテリーの端子カバーを2カ所外します。両面テープでそれぞれ4ヶ所固定されています。
続いて、バッテリーと本体と接続していたコネクター部分のケーブルを取り外します。(※すみません、ケーブルを外す部分の画像を撮影し損ないました)
外した端子カバーとケーブルは、新しいバッテリーに取り付けるので、保管しておきます。
新しいバッテリーを貼り合わせる
続いて、新しいバッテリーの準備に入ります。
両面テープで、2個のバッテリーを貼り合わせます。とても重たいバッテリー(1個6.4Kg)なので、強力な両面テープを使用した方が安全です。
※画像のバッテリーは、当初の記事執筆時点に撮影したもので、新神戸電機株式会社のマーク「KOBE」が入っていますが、2016年1月1日付けで日立化成株式会社に吸収合併されたので、現在販売されているバッテリーは「KOBE」の部分が「HIPIC」に変わっています。
ヒューズを付け替える
取り外した古いバッテリーの端子に付いているヒューズです。
このヒューズを取り外し、新しいバッテリーに付け替えたいのですが、日立化成の HF17-12A は、端子付近の形状が少し異なります。
端子の位置とバッテリーのくぼみの形状が純正品と異なり、同じ方向でヒューズを取り付けることが出来ません。
※私がUPSを購入した当初に内蔵されていたヒューズですので、仕様が変わっていればこの加工は不要かもしれません。
この場合は、逆向きにヒューズを取り付けます。
ヒューズを逆向きに付けると、バッテリー端子カバーのサイズが合わないため、カバーが出来なくなります。
バッテリー端子カバーの一部をカットして対応します。
バッテリーケーブルを取り付け、端子カバーを取り付け、本体と接続
※私のこのUPSは、「バッテリー延命装置」を取り付けてあるので、上の写真に写っている2本の黒い線は、通常は接続されていません。
バッテリーと本体を接続するケーブルを、バッテリーに取り付けます。
赤いケーブルは赤色端子に、黒色ケーブルは黒色端子に接続して下さい。
この接続を間違えると、UPS本体が壊れますので、ご注意下さい!(※すみません、接続する部分の画像を取り損なっております。)
バッテリー端子カバーを元通りに取り付けたら、本体のコネクターと接続して収納します。
端子カバーをカットした部分から、ヒューズが飛び出していますが、前面カバーには凹みがあり、ちょうど飛び出したヒューズの部分に空間が出来る構造になっています。
このまま蓋を閉めれば、完了です。
取り外したバッテリー
廃棄の方法
UPS本体の電池交換アラームが鳴ってからバッテリー交換をした場合には、古いバッテリーは殆ど使えない状態になっていると思います。
取り出した古いバッテリーは、車と同じ鉛蓄電池なので、私は車のディーラーで無料にて廃棄してもらっています。
ディラーの人から聞いた話では、鉛のリサイクル市場で売買されているそうで、業者が無料で喜んで回収してくれるのだそうです。
カー用品店や車のディーラーへ持って行けば、基本的に無料で引き取ってもらえるはずです。
再利用する場合
UPS本体からの電池交換警告前に、3年程度で交換している場合は、使い道によってはまだまだ使える可能性があります。
捨ててしまうのは、勿体ないです。
私の場合は3年で交換していますので、取り出した古いバッテリーは非常用バッテリーとして保管したり、部屋の照明用の電源等として使用しています。
Smart-UPS1500 のバッテリーは、車のバッテリーと同じ電圧の12Vです。
私のバッテリーの使い方は、次の記事を参考にして下さい。
>>> 【停電対策】停電時・非常時に使える、自動車と同じ12V電源と電気製品